自動車業界の甲子園!? ゼロからのものづくり「学生フォーミュラ」って何? 自動車メーカー・サプライヤーが注目する理由とは

実際に学生フォーミュラに参戦する「大変さ」とは? 日産京都校に聞いてみた

 学生フォーミュラ2024は、9月3日から6日がオンライン開催となり、コストと製造審査・デザイン審査などが行われます。

 そして9月9日から14日にリアル開催で車検・動的審査・プレゼン審査が行われる流れとなっています。

 競技としては、単純に製作したフォーミュラカーが速いだけではなく、「車検」「静的審査」動的審査」という様々な項目を競っていきます。

 また車両は主に「ICV(ガソリン車)」と「EV(電気自動車)」に分かれています。

 また表彰自体も様々なものがあり総合的なものから動的、静的、特別賞など多角的な視点で審査されているのです。

 では、どのような形で学生フォーミュラのものづくりは行われているのでしょうか。

学生フォーミュラは色々な意味で熱いイベントだった(画像:公益社団法人 自動車技術会)
学生フォーミュラは色々な意味で熱いイベントだった(画像:公益社団法人 自動車技術会)

 全国に5校の自動車大学校を展開する日産。その中で京都校は、日産から「リーフ」のモーターやインバーターなどを譲り受け、イチからEVフォーミュラを製作して参戦しています。

 なおマシンは毎年、英語で書かれたレギュレーションを読み解き、ドライバーの体型に合わせてイチからフレーム構造のボディを製作。

 そして、それに合わせたパワーユニットの製作なども行っています。

 ゼロから作るフォーミュラカーについて担当する学生は「学生フォーミュラは速さはもちろんですが、車両コストなども重要です。難しい部分はモーターなどの制御を行う回路の製作が難しいです」と話しています。

 学生フォーミュラ2024について京都校の担当者は「様々な大学や自動車大学校などが参戦しており、各校それぞれに個性があります。日産校では日産からの技術支援などもありリーフのユニットを活用し、見た目も美しい車両製作を行っています。なお去年は途中でリタイアとなってしまったので、今年はエンデュランスの完走を目標にしています。またすでに今年は見た目が参加校の中で1番綺麗だと評価を頂いております」と語ってくれました。

 しかしながら京都校は、エンデュランス自体は完走できていたものの、基準タイムより遅く走っていたことから完走扱いにはならないという惜しい結果となってしまいました。

学生フォーミュラの現場では学生達のものづくりに対する熱い想いを感じることが出来る(画像:公益社団法人 自動車技術会)
学生フォーミュラの現場では学生達のものづくりに対する熱い想いを感じることが出来る(画像:公益社団法人 自動車技術会)

※ ※ ※

 このように学生フォーミュラというものは、学生達からすればゼロからのクルマづくりを見せる場として盛り上がっています。

 一方で企業側から見れば、単純な学生達のものづくり技術を競うだけではなく、企業が課題としている「人材不足」や「リクルートの難しさ」を解決する「優秀な人材を発掘する」という部分がこのイベントの大きな魅力と言えそうです。

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