東京都内で整備が構想されている高規格道路「多摩新宿線」に、反響の声が集まっています。
　
　いったいどのようなルートで、どのような声が上がっているのでしょうか。

　聞きなれない道路計画「多摩新宿線」というのは、国土交通省が2021年に策定した「新広域道路交通計画」に記載され、いずれ具体化していく路線として挙げられているものです。

　そのルートは、新宿から西東京市、武蔵村山市などを経て、国道16号に直結することになっています。

　既存の青梅街道や新青梅街道に並行し、東大和市付近からは完全に同じルートとなっています。「新青梅街道」を立体化して「信号ゼロ」にする構想とも言えるでしょう。

　立派に4車線化している青梅街道・新青梅街道ですが、結局のところ信号待ちが、大きな渋滞ポイントとなっています。主要南北軸との交差点は朝夕をはじめ混雑し、都心～郊外の移動速度を大きく阻害しています。

　周辺は信号をスルーできる高架道路が無いため、もし「多摩新宿線」が実現すれば、中央道や関越道を補完する「高速放射軸」としての活躍が期待されます。

　気になる進捗ですが、実現に向けた「期成同盟会」が結成されているわけでもなく、機運が高まっている様子は特に見られません。もちろん周辺自治体は都市計画のマスタープランなどでこの国の構想に触れ、「もし実現するならICへのアクセス道路を整備する」といった記載も見られます。

　いっぽうで東大和市から西側では、新青梅街道の空中に「多摩都市モノレール」の延伸区間の建設事業が進行中です。多摩新宿線はこれに完全にかち合う計画となるため、もし実現するなら並行ルートや「3層構造」になるのかもしれません。

　今のところ、この「多摩新宿線」の実現に対する国のスタンスは、2006年の議会答弁で、当時の国土交通大臣が「圏央道や外環道などの整備をまずしっかり進めながら、多摩新宿線も必要な検討を進めたい」といった主旨の発言に現れています。

　圏央道も外環道も、全通に向けて残りの工区が工事中。外環道は関越道から東名高速へつなぐ区間が難航しており、開通まではまだまだ時間がかかりそうです。さらにその先、東名から湾岸線への区間は、まだ構想止まりの段階で、優先順位としてもこの「湾岸延伸」の具体化、完成が第一になってくると思われます。

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　国の構想として明記されながらも、まだ「荒唐無稽」の域を脱していない、この多摩新宿線。ネット上では「知らんかった」「いいじゃん！」「これ実現したら楽になりそう」「多摩地域の道路網の弱さを見ると、やっぱり多摩新宿線は欲しくなるよね」「甲州街道方面が脆弱なのでなんとかしてほしい」など、期待する声が多数上がっています。

　なかには「完成する頃には、自分はもう免許返納している歳かもな」と、期待しつつ一朝一夕には実現しない壮大な道路計画に嘆息している声もありました。