スズキ「ジムニー5ドア」乗ってみた! 3ドアと何が違う? 後席&荷室はどんな感じ? 先行して体感した印象は
先行してジムニー5ドアに乗ったプロはどう感じた?
では、ジムニーのプロは5ドアモデルをどのように見ているのでしょうか。
先だってフィリピンで開催された「ストリートショーガレージ」にゲストとして参加し、その会場でジムニー5ドアを試乗したジムニープロショップ「アピオ」の河野仁社長に聞いてみました。
「イベント会場内の試乗という条件付きではありましたが、明らかにシエラ3ドアとは違うフィーリングに仕上がっています。
エンジンのフィーリングはシエラと大差ないように感じましたが、大きな違いはステアリング操作時のフィーリングと乗り心地。
ホイールベースが拡大していることが主な要因だと思いますが、とにかく乗り心地がいいんです。
3ドアのようにセンシティブなところが少なく、ゆったり乗れるという感じです。
またステアリングのフィーリングも、適度な重みが増しており、全体的にはミドルクラスのSUVをドライブしているような印象を受けました」

乗り味に好印象を持った一方で、多少ガッカリした部分もあったといいます。
「後席を倒した状態です。3ドアは後席の背もたれを倒すとフルフラットになるように設計されていますが、5ドアでは前に倒れるだけ。
背もたれの部分は車内に大きく張り出しているし、しかも床面が斜めになるため、デッドスペースが多いんです。くわえて、後席を固定する金具が突き出ているのも気になります。
これではせっかく5ドアにしたのに、積載性はそれほどではないし、車中泊もできません。
多くのスズキ車がフルフラットになることをウリにしているので、これでは日本のユーザーはちょっとガッカリでしょう」
※ ※ ※
フロア下の構造物などの関係から、日本導入時に改善されるとも思われず、果たしてこうした部分に日本の市場がどう反応するかが気になるところです。
ちなみにフィリピンでのジムニー5ドアは、日本円にして400万円以上で販売されている高級車。富裕層が趣味で乗るクルマとなっており、一般ユーザーには縁遠いようです。
日本では、トヨタのコンパクト・クロカン四駆「ミニランドクルーザー(仮称)」の発売も近づいていると言われており、こちらは300万円台の値付けが予想されています。
これに対抗するには300万円以内のプライスでなければ厳しそうですが、それでも「出れば買いたい」というユーザーの多い、ジムニー5ドア。
ジムニーEVの動向も気になりますが、そろそろ日本での発売を決めてもらいたいものです。
Writer: 山崎友貴
自動車雑誌編集長を経て、フリーの編集者に転向。登山やクライミングなどアウトドアが専らの趣味で、アウトドア雑誌「フィールダー(笠倉出版社刊)」にて現在も連載中。昨今は車中泊にもハマっており、SUVとアウトドアの楽しさを広く伝えている。












































