「違反切符」のハンコは任意だった? 河野太郎氏「断っても問題はありません。」と言及! なぜ“押印&拇印”求める?反則金を納めないとどうなるの?

交通違反で捕まった場合、警察官が違反者に対して青切符に署名と押印(または指印)を求めるのが一般的です。しかし、この行為について2024年5月、河野太郎デジタル大臣がX(旧Twitter)において次のポストを投稿し、話題を集めました。

河野太郎も言及! 「青切符」指印&署名は任意?

 以前、X(旧Twitter)で河野デジタル大臣が交通反則切符の押印・指印について「任意である」と発言したことが話題になりました。
 
 警察官が切符を切る際に必ずといっていいほど求められる押印や指印ですが、これは一体なぜなのでしょうか。

過去には河野デジタル大臣が交通反則切符の押印・指印について「任意である」と発言したことが話題に
過去には河野デジタル大臣が交通反則切符の押印・指印について「任意である」と発言したことが話題に

 日々、全国各地で交通取り締まりがおこなわれています。警察庁の統計によると、2023年中の交通違反の検挙件数は547万6654件であり、1日あたり1万5000件以上もの違反が検挙されている計算です。

 これら違反の多くは交通反則告知書、いわゆる「青切符」によって検挙されており、交通反則通告制度が適用されます。

 この制度はドライバーが点数3点以下の比較的軽微な違反をした場合、一定期間内に反則金を納めれば刑事手続きの対象とならずに違反が処理されるという制度です。

 なお交通違反で捕まった場合、警察官が違反者に対して青切符に署名と押印(または指印)を求めるのが一般的です。

 しかし、この行為について2024年5月、河野太郎デジタル大臣がX(旧Twitter)において次のポストを投稿し、話題を集めました。

「交通違反をした時に、まだ現場で書類に押印または拇印を求められることがあるようですが、いずれも任意ですので断っても問題はありません。ただし、罰金の支払いなどは任意ではありませんのでお間違えなく。」

 さらに河野大臣は同ポストとあわせて、2022年11月に警察庁が発出した文書「交通反則切符における供述書作成上の留意事項について(通達)」の画像を投稿しています。

 この文書では、青切符の署名および押印・指印が任意であると明記されています。

 この投稿に対しては「知らなかった」「もし警察に捕まったらこのポストを見せます」といった声のほか、「現場の警察官に徹底するように指導してください」といった意見が複数寄せられました。

 青切符の署名や押印などは任意であるものの、実際は現場の警察官から求められる機会も少なくありません。

 その理由については、前出の文書の中で「違反者本人が作成したことが確認できるようにする目的」と説明しています。

 また交通反則通告制度が1968年に開始されて以降、署名や押印などの要求が慣習的におこなわれてきた影響もあるといえるでしょう。

 現在、各都道府県警察のウェブサイトでは青切符の署名や押印などが任意であることを周知しています。

 このように、青切符へ署名や押印をするか否かは違反者が自由に選択できますが、その後の対応についてはいくつか注意しなければいけません。

 基本的に警察官は青切符を作成後、違反者に青切符の1枚目と反則金の「納付書」を渡します。その際に青切符の受け取りを拒否すると、道路交通法第130条第2号の規定により交通反則通告制度の適用を拒否したとみなされ、刑事手続きの対象となる可能性があります。

 さらに青切符や反則金の納付書を受け取ったとしても、その後に反則金を納付しないままでいれば刑事手続きに移行します。

 具体的には違反者が期限内に反則金を納付しなかった場合、警察施設に出頭して新しい納付書をもらうことができます。

 もしここで出頭しなかった場合には、青切符を切られた日からおおむね40日後に警察から反則金相当額と送付費用を合せた新たな納付書が自宅に郵送されます。

 この時点で反則金を納付すれば違反の手続きは終了しますが、納付しなかった場合は刑事裁判の手続きに移行するという流れです。

 刑事手続きに移行すると警察官や検察官による取り調べの後、起訴されて裁判となるか、不起訴になるかが決まります。

 実際のところ不起訴となるケースが多いようですが、起訴された場合には罰則を受けるおそれもあるため、その点には留意しておいた方が良いでしょう。

※ ※ ※

 過去には交通違反で検挙された教職員が、署名を求められた際に切符を破ってポケットに入れたとして公務執行妨害の疑いで逮捕されています。

 切符は公文書であり、破ると公務執行妨害罪や公用文書等毀棄罪などに問われる可能性があるため、つとめて冷静な対応を心がけましょう。

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