有事・災害など活躍!? 自衛隊の「高機動車」の新車が凄かった! 車内には様々な装備が… 「大きな洗濯バサミ」みたいなものは何に使う?

高機動車は人員輸送用に使われる車両で、主に普通科部隊で運用されています。ただ、車両後部に武器を搭載した派生型も存在しており、ある意味でマルチに使えるクルマです。では、その高機動車にはどのような特徴があるのでしょうか。

車内に「大きな洗濯バサミのようなものが装備」 これはなに?

 運転席と助手席の後ろのフロアには、大きな洗濯バサミのようなものが装備されていました。

 発煙筒でも付けるものかと思いましたが、これは89式や20式といった自動小銃の銃床を固定するものだといいます。

 運転席や助手席に座った隊員は銃を持ったまま移動することができないための配慮です。

 さらに、運転席・助手席の頭上にあるロールバーには、5.56mm機関銃を取り付ける銃架もありました。

 さて、車両後部には隊員4人ずつで座る横向きシートが2列装備されています。

 シートベルトは2人に1本となっていますが、隊員は移動中に「中帽」という作業用ヘルメットを被るため、道路交通法でシートベルトの着用が免除されているのは一般にはあまり知られていないところです。

大きな洗濯バサミのようなものは89式や20式といった自動小銃の銃床を固定するもの
大きな洗濯バサミのようなものは89式や20式といった自動小銃の銃床を固定するもの

 シートの下には、ハシゴ形タイヤチェーンを入れるスペースがありました。

 このチェーンは積雪路で使うというよりは、コンバットタイヤでもスタックするような泥濘路で使うのを主眼としているようです。

 タイヤの空気圧を落として接地面積を増やし、さらにチェーンでトラクションをプラスするわけです。

※ ※ ※

 ちなみに本家と言えるハンヴィは、すでに「JLTV」への転換配備が始まり、将来的には廃止が決まっています。

 陸上自衛隊でも、「軽装甲機動車」の後継車の選定が始まっていますが、高機動車は継続的に使われるようです。

 高機動車は防弾性能がないため、いつまでも平和な日本だけで走ることが望まれます。

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Writer: 山崎友貴

自動車雑誌編集長を経て、フリーの編集者に転向。登山やクライミングなどアウトドアが専らの趣味で、アウトドア雑誌「フィールダー(笠倉出版社刊)」にて現在も連載中。昨今は車中泊にもハマっており、SUVとアウトドアの楽しさを広く伝えている。

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