トヨタ「シエンタ」やホンダ「フリード」など、コンパクトなボディで多人数乗車が可能な小型ミニバンが人気となっています。
　
　現在、小型ミニバンをラインナップしていない日産ですが、かつては前席に3人、後席に3人が座れて、多人数で移動できるユニークなクルマを販売していました。
　
　それが、日産「ティーノ」です。

　ティーノは日本で1999年から2003年まで販売されていたハイトワゴンで、ボディサイズは全長4270mm×全幅1760mm×全高1610mm。

　全長を短く抑えることで取り回しの良さを実現しながら、十分な居住空間と荷室容量も確保しました。

　エクステリアは、丸みのあるフロントバンパーや当時の日産車に多く用いられていた「ウインググリル」を採用。角の取れたスタイリングにより、欧州車の雰囲気を感じさせるプレーンなデザインにまとめられています。

　ティーノの最大の特徴であるインテリアは「5＋1」をコンセプトとし、前席は2人＋1人、後席は3人分のシートが設置された、「2列シート6人乗り」のレイアウトを実現。

　後席は、ユーザーが車検証の記載を変更しなくても脱着することが可能となっており、座席を取り外すと大きなラゲッジスペースが生まれるなど、積載性も備えました。

　発売された当初は2リッター直列4気筒エンジンにCVTを組み合わせと、1.8リッター直列4気筒エンジンに4速ATを組み合わせた2つのパワートレインを用意。

　2000年には日産初となるハイブリッドシステムが搭載された100台限定の「ティーノ ハイブリッド」が発売されました。

　同車は低回転でのトルクが大きいモーターや低燃費なエンジン、伝達効率の高いCVTにより、23km／L（10・15モード燃費）という低燃費を達成しています。

　個性的なシートレイアウトが魅力となるティーノですが、2000年のマイナーチェンジで前席2人、後席3人の5人乗り仕様も追加されました。

　しかし、同じ時期に2列シート5人乗りや3列シート6人／7人乗りのコンパクトカーやコンパクトミニバンが次々に登場したことでティーノの販売は苦戦。

　2002年のマイナーチェンジで当初の売りであった6人乗り仕様が廃止され、2003年に生産・販売が終了しています。

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　そんなティーノに対してさまざまな意見が寄せられており、「前列3人座れるクルマだと、子どもがケンカせず2人とも前に座れるので便利でした」と高評価なコメントに対し、「運転席は少し余裕がないとATでも肘がぶつかるので前3人はツラい」など、前席3人乗りのレイアウトは乗る人の体格によって“良し悪し”が異なるようです。

　デザインに関しては、「今見ても個性的なデザインで新鮮」「上品なデザインでしたね！」「いま新型車として出しても通用しそうなデザインだと思う」など、先進的な外観が印象に残っているという声がありました。

　ほかにも、「エアバッグは機能するかな？」「前に3人乗ったら、運転手は左のサイドミラー見にくくないか？」など、実際に運転したときにどうなるのか疑問に思う人もいました。