謎の「トヨタ・クラウンセダン」が凄い! 王冠エンブレム付いた4ドアセダン!? 新型とは違う? 正体は? 中国に存在
実は中国のトヨタが製造する中国限定のクラウンがあったことはあまり知られていません。いったいどのようなクルマなのでしょうか。
中国で製造されていた「謎のクラウン」とは?
「クラウン」と言えばトヨタを代表する高級車です。
実は中国のトヨタが製造する中国限定のクラウンがあったことはあまり知られていません。
いったいどのようなクルマなのでしょうか。
トヨタの象徴的な高級車「クラウン」は1955年の登場以来、多くの人々にとってあこがれであり続けてきました。
2022年7月には最新となる16代目クラウン(S230型)がお披露目となりましたが、今までのクラウンからは考えられない4つのボディ展開で大きな話題を呼びました。
そのうち、「クロスオーバー」は2022年9月、「スポーツ」と「セダン」が2023年11月に発売され、残る「エステート」は2024年中の発売を日本で予定しています。
また、これまでクラウンの海外展開は限られていましたが、新しいクラウンでは約40か国で販売されています。
特に、アメリカでは1972年に品質の問題で販売を終えたという苦い歴史がありましたが、新型クラウン(S230型)をもって約50年ぶりにアメリカでクラウンが復活しました。
ですが、その一方で以前よりクラウンを販売していた国もあります。数少ないそのひとつが、中国です。
1964年、トヨタは中国に向けて64台のクラウンを輸出しました。
その当時の中国では自家用車は一般的でなく、自動車を持てるのは一部の中国共産党幹部に限られていました。
その後、1980年代にかけて中国経済は外資に対して開放的になり、1983年に登場した7代目クラウンは地方政府などが使う公用車として1000台ほどが中国に輸入されました。
1990年代には毎月6800台程度の日本車が中国に輸出され、そのうちの4割近くがトヨタ車、クラウンはその4分の1程度を占めたと言われています。
その後、トヨタは1998年に四川トヨタ自動車有限会社(現:四川一汽トヨタ自動車有限会社)、2000年に天津トヨタ自動車有限会社(現:天津一汽トヨタ自動車有限会社)といった合弁会社を設立し、中国現地でのトヨタ車生産を開始するようになります。
2005年には当時の現行型であった12代目(S180型)の中国生産を開始、初めて日本国外でクラウンが生産されるようになりました。
最初に登場した中国製クラウンは日本で販売されていたモデルと見た目は変わりませんが、未舗装路が多い事情を考慮してか、最低地上高は10センチほど高くされていました。
また、エンジンは5GR-FE型2.5リッターV型6気筒エンジンと、3GR-FE型3リッターV型6気筒エンジンの2種類を設定しました。
日本では聞きなれないエンジンかもしれませんが、3GR-FEは3GR-FSEのポート噴射式仕様となります。
また、5GR-FEは4GR-FSEと同じ2.5リッターエンジンですが、3GR-FEと同じボア径を持つエンジンとなります。
どちらも中国で生産される中国向けエンジンとして、独自に設計されたものです。
その後、13代目(S200型)、14代目(S210型)と中国でもフルモデルチェンジがおこなわれていきました。
また、2015年に中国で発売された14代目クラウンは日本仕様より見た目を変えた初のクラウンでもありました。
14代目クラウンの中国仕様では全長5020 mm x 全幅1805 mm x 全高1480 mm、ホイールベースが2925 mmと、ボディ自体は日本仕様における最上級モデル「クラウンマジェスタ」がベースです。
一方でフロントマスクは「クラウンアスリート」風になっているものの、グリルは二段構えではなく、枠を斜めの一直線でおろした形状となっています。
また、リアにおいてはテールライトの内側が上に絞られる形状となっており、日本仕様とは異なるスポーティさを演出しています。
これに加え、中国仕様の14代目では先代からの5GR-FEを搭載する2.5リッターモデルに加え、8AR-FTS型2.0リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載するモデルも新たに設定されました。
14代目クラウンは中国で毎月3000~4000台を販売していましたが、セダン需要の低下に加えてモデルが古いことが影響してか、2019年以降はその台数を大幅に減らします。
その後、2020年4月に一汽トヨタは15年にわたって続いたクラウンの中国生産に終止符を打ちました。
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