静岡~高崎が短縮!?「西関東連絡道路」工事進行中「大滝トンネル」いよいよ本体工事大詰め コンクリ作業は「年内完了」

山梨県と埼玉県を直結する「西関東連絡道路」のなかで、秩父市内で山岳部をショートカットする「大滝トンネル」が、いよいよ工事大詰めになってきました。

トンネル本体工事 年末にはほぼ完了へ

 山梨県と埼玉県を直結する「西関東連絡道路」のなかで、秩父市内で山岳部をショートカットする「大滝トンネル」が、いよいよ工事大詰めになってきました。

山梨・埼玉県境を抜ける国道140号。高規格道路の整備が進む(画像:写真AC)。
山梨・埼玉県境を抜ける国道140号。高規格道路の整備が進む(画像:写真AC)。

 西関東連絡道路は、国道140号を高規格する計画道路です。まず1998年に県境の断絶地帯に「雁坂トンネル」が開通し、近くて遠かった両県に念願の直結ルートが誕生しました。

 その後、「甲府山梨道路」「皆野秩父バイパス」「皆野寄居バイパス」などが次々と開通。市街地を信号ゼロの高規格道路で抜けることで、中央道~秩父~関越道の新たな短絡ルートとして、近年注目が高まっています。

 さらに、2023年には東名・清水JCTから北上し甲府盆地で中央道へ接続する「中部横断道」が完成。さらに甲府盆地をぐるりと周って甲府山梨道路で直結する「新山梨環状道路」も事業が進んでいます。これらを使えば、静岡から関越道まで短絡ネットワークが実現し、新潟方面へスムーズな移動が期待できます。

 そんななか、工事が大詰めを迎えているのが、秩父市街から山梨県寄りの山岳地帯で建設中の「大滝トンネル」です。

 現道の国道140号は、深い谷に沿って大きく蛇行していますが、そこにトンネルを通すことで、7kmもあった区間がわずか2kmで短絡されることとなり、利便性も安全性も大幅に向上が期待されています。

 気になる工事進捗ですが、トンネル掘削は2022年にスタートし、2024年3月に悲願の貫通を迎えました。その後、トンネル側面のコンクリート打設工事(覆工)が続けられています。

 その覆工作業も、7月20日の時点で、すでに約84%まで到達。2053mのうち、秩父側から1716.5mの地点までコンクリートが打ち終わりました。

 5月の時点で6割だった覆工も、気づけばあとわずかで完了です。6月の進捗が173.5mなので、順調に進めばあと2か月以内には終わる計算です。

 7月号の「大滝トンネル 工事情報通信」によると、一般部の覆工は9月下旬に完了し、非常駐車帯などの拡幅断面部は別工程で行うため年末までかかるとしています。トンネルの掘削に使用した機材は全て搬出が終わったといいます。 

 トンネルの本体工事が終われば、あとは舗装工事や、側溝など排水構造物、電気設備や安全施設などを設置する、仕上げ工事に入っていきます。

 同事務所は「まだもう少し工事が続きますがご協力をお願いします」としています。

 秩父市内では開通部から延伸する「長尾根バイパス」の事業も進められています。

【画像】超便利!? これが「西関東連絡道路」ルートと工事状況です(30枚以上)

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