なぜパトカーは「白黒」になった? 最初は“ほぼ一般車”そのままだった!? 知られざる「パトカーの歴史」とは
街の安全を守ってくれるパトカーですが、いつから存在するのでしょうか。本記事ではパトカーの歴史や白黒になった理由、現在のパトカーについて解説します。
日本で最初のパトカーとは?
パトカーは警察官が乗車するクルマで、治安維持のために街をパトロールし、犯罪の予防や交通指導などを行うほか、110番通報があった場合には事件や事故の現場に急行し、犯人の追跡、交通違反の取締りなどを行います。
そんな街の平和を守る重要なクルマですが、いつから存在しているのでしょうか。
パトカーが誕生したのは、第二次世界大戦が終戦して間もなくのことです。
警察ではこれまでバイクの横につけるサイドカーや自転車を用いてパトロールを行っていました。
しかし戦後の社会的混乱によって各種犯罪が続発し、治安が著しく低下。
警察は犯罪者を広範囲で取り締まるのが難しくなりました。
そのため警らに機動性と通信性が求められた結果、1949年に浅草警察署にて自動車警らを試験的に導入したのがパトカーの始まりといえます。
導入された車両はアメリカから譲り受けたフォード製のもので、白一色のボディに両側は幕を覆い、移動警察と墨書きしていたとのことです。
実際にクルマによる警らの効果は予想以上に大きかったことを受けて、1950年にパトカー3台、勤務員54人をもって自動車警ら隊が発足されました。
ただ当時の日本では、使用されていたクルマの多くが白色であったため、一目でパトカーだと認知できない状態。
そこでボディの下半分を黒に塗りツートンカラーにすることで一般車との差別化が図られました。
そして1955年に全国で警察車両のボディカラーが統一され、現在の白黒ツートンカラーに至ります。
なお、当時から働くクルマとして子ども達から大きな人気を得ていたとのことです。
その後、1960年代には軽自動車のミニパトも順次配属されたほか、パトカーだけでなく事故処理用の標識を付けた事故処理車や高速道路交通警察隊なども配備されたといいます。
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現在のパトカーは白黒のツートンカラーで統一されるほか、屋根の部分には赤色灯が取り付けられているのが特徴です。
そのほか、一見してパトカーだと分からない覆面車両も存在しています。
クルマは主にセダンタイプが多く、特にトヨタ「クラウン」が人気ですが、警察署によってはスバル「レガシィ」やトヨタ「マークX」、日産「ティアナ」などを使用しているところもあります。
さらに機動力を求めた高速道路交通警察隊では、少数ながら日産「フェアレディZ」や「GT-R」、レクサス「LC」などのスポーツカーを採用。
ほかにもミニパトと呼ばれる小型警ら車には、排気量1500cc以下のクルマが主に採用されており、スズキ「スイフト」や「ソリオ」などが採用されています。
また豪雪地帯や山間部などではSUVが採用されるなど、全てのパトカーの車種が統一されているわけではなく、用途や地域に応じて様々な車種が用いられています。
パトカーとか緊急車両は、半分以上を白又は赤とすることが道路交通法で決まっているため、元の色は「黒」と聞いたことがあります。