トヨタ「プリウス“SUV”!?」 24年内に2台発売!? トヨタとBYD共同開発のサメ顔「新型SUV」 中国市場の現状は?

中国は2023年に3009.4万台の新車を販売(輸出含む)し、15年連続で世界最大の自動車市場に君臨し続けています。国市場では今、外国メーカーが中国向けEV開発のために中国メーカーと提携する流れが目立っており、その先駆けと言えるのが、2020年に始まったトヨタとBYDの提携です。

トヨタとBYDによる提携で誕生した「bZシリーズ」とは?

 トヨタとBYDによる提携の初となる成果は2022年にお披露目された純電動セダン「bZ3」として形になりました。

 純電動サブブランド「bZ」第二弾のこのモデルは駆動用バッテリーやモータなどにBYDが関わり、その制御やボディ、乗り味の部分に関してはトヨタが開発しています。

 また、採用プラットフォームはbZ3専用開発で、フロント周りにトヨタの「e-TNGA」、それより後ろにBYD「e-プラットフォーム 3.0」の改良したものを組み合わせています。

 これにより、BEVならではのショートオーバーハングに加え、広々としたキャビンを持つ唯一無二のセダンパッケージングが完成したわけです。

 全長4725 mm x 全幅1835 mm x 全高1475 mm、ホイールベース2880 mmのボディには容量49.92 kWh、および65.28 kWhのBYD製リン酸鉄リチウムイオン電池を搭載。

 航続距離(CLTCモード)はそれぞれ517 kmと616 kmとなります。

 また、出力は49.92 kWhバッテリーを搭載する下位グレードで181 hp、上位グレードで241 hpとしており、どちらもBYD製永久磁石同期モーターをフロントに配置しています。

 bZ3はトヨタとBYD、そして実際の製造と販売をおこなう「一汽トヨタ」の3社が連携し、2023年3月に中国で発売されました。

 2024年3月までの1年間で約3万4000台を販売、現在は毎月5000台前後を売り上げている形になります。

 日系メーカーのBEVと考えると善戦してる数字ですが、一汽トヨタ内で比較するとRAV4はbZ3の約2.5倍、カローラクロスは約2.2倍、そしてカローラは約1.3倍を販売しており、人気モデルとの差が目立ちます。

 ミドルセダンの販売台数ランキングにおける上位は依然としてガソリン車やハイブリッド車が目立っており、BEV一辺倒と一概には言えないのが中国市場の特徴です。

トヨタとBYDによる第1弾モデルは純電動セダン「bZ3」(撮影:加藤博人)
トヨタとBYDによる第1弾モデルは純電動セダン「bZ3」(撮影:加藤博人)

 2024年4月に開催された北京モーターショー2024では、BYDとの共同開発モデル第2弾となる「bZ3C」が発表されました。

 コンセプトモデル「bZ Sport Crossover Concept」でもプレビューされたローでワイドなフォルムを特徴とし、ボディは大人5人が座っても窮屈さを感じさせないファストバックSUVとなります。

 bZ3Cは流行に敏感な中国の若年層をターゲットとしており、その好みを反映すべく、車内は細い横長のディスプレイに加えて大きなセンターディスプレイをベースとした設計を取り入れています。

 また、製造と販売はbZ3と同じく一汽トヨタが担当する形になります。

 トヨタはbZ3Cに加え、同時に発表した広汽トヨタの「bZ3X」を2024年中に中国市場で販売するとしています。

 また、この2車種を含む計10車種のBEVを2026年までに投入する予定です。

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Writer: 中国車研究家 加藤ヒロト

下関生まれ、横浜在住。2017年に初めて訪中した際に中国車の面白さに感動、情報を集めるうちに自ら発信するようになる。現在は慶應義塾大学環境情報学部にて学ぶかたわら、雑誌やウェブへの寄稿のみならず、同人誌「中国自動車ガイドブック」も年2回ほど頒布する。愛車は98年式トヨタ カレン、86年式トヨタ カリーナED、そして並行輸入の13年式MG6 GT。

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