霊柩車に変化、御神輿のようなあの豪華絢爛なタイプが激減 葬送文化継承に危機感も
車体後部に唐破風の屋根や装飾が施された「宮型」の霊柩車が、数を減らしています。背景には何があるのでしょうか。霊柩車の協会はこれに危機感を覚え、宮型の普及活動を行っています。
5年間で約7割減少
「霊柩車」といえば、唐破風の屋根や装飾が施された納棺室がクルマの後部に据え付けられているタイプが思い浮かぶかもしれません。こうしたタイプの霊柩車は「宮型」と呼ばれます。
しかし近年、この宮型霊柩車が数を減らしているといいます。これを受け、遺体を搬送する運送事業者の団体である全国霊柩自動車協会(東京都新宿区)は、パンフレットなどを通じて宮型の普及活動を行っているそうです。同協会に話を聞きました。
――宮型霊柩車はどれほど減っているのでしょうか?
当協会の会員事業者においては、2012年に約2100台あったものが、2017年現在、約650台まで減少しています。
――霊柩車の台数そのものが減っているのでしょうか?
いえ、そういうわけではなく、むしろ葬儀の件数も増えています。霊柩車には大きくわけて宮型のほか、欧米式の特別な装備や装飾を施した「洋型」、主として病院からご遺体を搬送するのに使われる「バン型」、ご遺体とそのご遺族をいっしょにお運びする「バス型」がありますが、特に洋型やバン型は台数が増加しています。