夏の夜に多発、路上寝込み死亡事故 長野で増加 激減させた埼玉県警の取り組みとは?

酒に酔った人などが路上に寝込んでしまい交通事故に遭うケースが長野県で増えており、事態を重くみた県警が対策に乗り出しました。その実態はどのようなもので、またこれを激減させた埼玉ではどのような対策をしたのでしょうか。

ドライバーが「逃げたい!」と思ってしまう死亡事故

 長野県警は2017年8月23日(水)、県のタクシーおよび運転代行の業界団体3者と「路上寝込み者等の交通事故の防止に関する協定」を締結しました。タクシードライバーなどが、路上で寝ている人を発見した場合に警察へ通報し、警察官がその場に到着するまで見守って事故を防ぐといいます。

夜の長野駅前。県内では「路上寝込み」死亡事故が増加している(画像:photolibrary)。

 長野県警交通安全対策室の田中室長は、「夜間に起きやすい『路上寝込み』事故を防止するため、運転の『プロ』の目を借りたい」といいます。詳しく話を聞きました。

――「路上寝込み」事故が増えているのでしょうか?

 はい。「路上寝込み」事故は2017年に入って7件発生し、4人が亡くなっています。件数としてはそれほど多いわけではありませんが、長野県では2012年から2016年までの5年間で死亡件数は7件でしたので、今年に入って急に増えたことから事態を重くみています。

――やはり、酒に酔った人が多いのでしょうか?

 そのように認識しています。ただ、長野県では過去5年間で同事故の件数が29件と母数が少ないため、被害者の状態や、事故が起こりやすい場所、地域の傾向ということを具体的に断定するのは難しいのが実情です。

 しかしながら、夜間に多いことと、被害者が亡くなる可能性がとても高いということは断言できます。寝ている人をひいたドライバーは、衝撃も少ないことから瞬時に「逃げたい」と思ってしまう傾向があり、「死亡ひき逃げ」という交通事故で最も重い事案にもつながります。人の命がかかっていることからも対策を急ぎました。

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