まさかの「2024年式のホンダ・バモス」出現!? 生産終了から6年経ったのに… なぜ“令和”に「新車のバモス」登録される? どういうことなのか
全軽自協が発表した2024年4月の販売台数を見ると、すでに生産終了から6年も経過したホンダ「バモス」が1台だけ登録されています。一体どういうことなのでしょうか。
なぜ「令和6年式のバモス」がある?
クルマの販売台数は毎月発表され、メーカーやジャンル毎の台数のほか、車名(通称名)での台数も発表されています。
これは軽自動車も同じことで、全国軽自動車協会連合会(全軽自協)が毎月詳細なデータを発表しているのですが、2024年4月度のデータを見ると、ホンダ「バモス」が1台カウントされているという奇妙なものとなっているのです。
ホンダのバモスは1999年6月に登場した軽ワンボックスワゴンです。
同じタイミングで登場した「アクティバン」(3代目)と車体を共有するモデルとなっており、このタイプの軽ワンボックスカーとしては珍しくエンジンをミッドシップに搭載するなど、ホンダらしさが詰まったモデルとなっていました。
そんなバモスですが、2018年7月に登場した実質的な後継車種である「N-VAN」にバトンタッチする形で、アクティバンとともに2018年の春ごろで生産を終了しています。
そもそもこの生産終了には、当時強化された軽自動車の衝突安全基準を1999年に登場したバモス/アクティが対応できなかったため終売となった、という背景があります。
たとえコッソリ生産が続いていたとしても、安全基準に適合していない車両は基準が改定となった期日以降の生産車の場合、登録することができません。
では、なぜ2024年4月にバモスがカウントされているのか、という点ですが、これはあくまで推測となるものの、恐らく「何らかの理由」で登録されることがなかった車両がこのタイミングで登録されたというのが事実だと考えます。
このデータは「新車販売台数」と名前がついているものの、カウントされるタイミングは売買契約が成立したときではなく、登録されてナンバープレートが交付されたタイミングとなります。
そのため、2024年3月に契約したとしても、登録が4月に入ってからであれば4月の台数としてカウントされるのです。
例えば、生産終了をきっかけに爆発的に価格が高騰した2ドア軽オープンカー「S660」などはあえて登録をせず、さらなる価格高騰を見込んで保管しているような販売業者も存在しており、実際S660も2024年に入ってから登録された車両も存在するほど。
ただ、バモスについては実用的な軽バンであることから、そこまで価格の高騰が見込まれるモデルではありません。
新車状態で6年近く大事に保管しておくケースも考えにくいことから、今回はどこかの企業や団体の構内車両として登録されないまま使用されていたものが、中古車市場に流通したものと考えるのが自然でしょう。
広い敷地を持つ工場や施設などでは、その敷地内を移動するためだけの車両を保有しているケースも珍しくなく、公道を走行しないため登録されないまま使用されることも少なくありません。
そういった車両が、減価償却の耐用年数である4年が経過した後に入れ替えなどで売却され、その先で初めて登録されたことでカウントされたというのがストーリーだと予想します。
実際、この原稿執筆時(2024年5月中旬)に、未登録のバモス(2014年製造)が中古車情報サイトに掲載されており、こちらも6千キロほど走行しているため、同じく構内車として使用されていたものが市場に出回ってきたと考えられます。
Writer: 小鮒康一
1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。
薄っぺらい記事だなぁ