「コーナーポール」はいずこへ? クルマの左前の棒状のアレ、数を減らした理由とは
プロはそもそも使っていない
カー用品総合専門店「オートバックス」を運営するオートバックスセブン(東京都江東区)も、近年のコーナーポールの販売状況について「コーナーポールの需要のピークは、2000年代までです」と話します。
「かつては『クラウン』や『セドリック』など、ボンネットが長いセダンによく装着されていました。近年、売れ筋のコンパクトカーはボンネットも短く、運転席の位置が高くなったことで、前方の視界が良くなり、コーナーポールを装着するケースが減りました。加えて、前方カメラや後方カメラなど、初心者の安全運転をサポートする機能が増えたため、センターポールをわざわざ選ぶ理由も少なくなりました」(オートバックスセブン)
ホンダアクセスも「装着率が高いのはセダン」と話していました。ではセダンが多く、プロのドライバーが運転するタクシーにおける装着率はどのようなものでしょうか。
東京都、神奈川県、埼玉県でタクシーやハイヤー業を手掛ける三和交通(横浜市港北区)は、「タクシーは基本、フェンダーミラーで車両感覚をとるので当社では装着していません。ハイヤーはサイドミラーを採用していることもあり、装着しているケースもありますが、車両全体としては1%にも満たないといった印象です。まれに中古で購入したタクシー車両に装着されていることもありますが、新車で購入するケースにわざわざオプションで装着するといったこともありません。乗務員からの要望もありませんし、当社において、この状況は10年以上前から変わりません」と話します。
メーカー各社が先進安全技術にしのぎをけずり、セダンが販売数を減らす昨今、タクシーにも需要はないとなると、コーナーポールは今後、さらに数を減らすのでしょうか。そうなると流通も少なくなり、カー用品店で気軽に後付けといったことは難しくなりそうです。改めてオートバックスセブンに聞くと、「需要がまったくないわけではない」といいます。
「免許をとって間もない人や、たまの日にしか運転しないサンデードライバーからの需要が若干あります。また、コーナーポールに親しみのある高齢者ドライバーもいますので、今後も一定数の需要を見込んでいます」(オートバックスセブン)
オートバックスセブンは今後も各店で、数種類のコーナーポールをレギュラー販売していくとのことです。
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提供:乗りものニュース