次期「ハチロク」登場か 「新GR86」お披露目!? 1.6Lターボ&新MT採用で進化がヤバい! 既販&次期見据えた開発状況は?
そういえば…「次期モデルの開発」にGOサインは出た?
シャシ周りはどうでしょうか。
パッと見るだけでもエンジンの搭載位置、前後サスペンション周り(サブフレーム、アーム類)、更には着座位置など、2023シーズンのモデルと見比べると明らかに異なります。
特にリアサスペンション周りは取り付け位置を含め、車体側にも大きく手が入っています。
この2年間、「アクセルを踏んで曲がれるクルマ」を目指して開発を行なってきましたが、昨シーズンまでの、現行モデルに対しての「対処療法」から「根本から変えた」と言うわけです。
この部分に対して、藤原氏は次のように話しています。
「一言で言うと『エンジン/タイヤ/人の位置関係』を全て見直しています。
エンジンは下に10mm、後方に60mm移動しています。
当然、ドライバーの着座位置も60mm後方に下げられ、ステアリングやペダルなどの操作系もそれに合わせて最適化。
実はステアリングコラム回りやペダルなどは別のクルマ用を暫定的に使用しています。
サスペンションは前後共に刷新しています。2023シーズンも暫定的に変更していましたが、今回は車体側にも大きく手を入れています。
さらに、量産を見据えてアーム類はアルミ→スチールに変更しています」
これらの変更は重要配分の更なる最適化、つまりスポーツカーの要となる“基本素性”を整えることが目的。
つまり、このクルマは見た目こそ現行GR86ですが、中身は次世代のパッケージ検討車なのです。
「このパッケージだと、おのずとキャビンは後ろに動きます。
つまり、FRスポーツらしい『ロングノーズ/ショートデッキ』をより実現しやすい。
現時点では外観はGR86のままですが、シーズン中にパッケージ変更を活かした空力のアップデート(=デザイン変更)も行なっていく計画もあります」(藤原)」
また新たなGR86、そして菅生での走りに対してGRの高橋智也プレジデントは次のように話しています。
「今回イチからボディ・シャシを作り直しています。
エンジンも1.4から1.6にしており、1.4は去年で色々試したいデータが取れました。
今年は市販車で採用している1.6のエンジンをさらにいろんな使い方で鍛えてみるという趣旨です。
またGR86の弱点だったミッションは新しいものに載せ替えています。ただドライバーからはシフトが入りづらいという声もあり、持ち帰って確認していきます。
28号車は、より次の86に向けてその進化をクルマのパッケージに合わせて作っていきたと思っています」
※ ※ ※
ちなみに、ここまでのアップデートを行なったと言う事は、次期モデルの開発にGOサインは出たと考えていいのでしょうか。前出の藤原氏は次のように話してくれました。
「まだ、出ていません(笑)。
次期モデルに繋がるポテンシャルを見せる事、それも今シーズンのミッションだと思っています。
スバルさんとは2023年のようにガチンコ勝負ではありませんが、同じST-Qなので当然意識はしています。
風のウワサではWRX S4だと聞いていますが、負けられませんね」
そんな2024年仕様の28号車GR86ですが、予選はBドライバーの坪井翔選手がST2クラスを超える1分29秒677を記録。決勝もシッカリと走り切り、数多くのデータを残しました。
果たして28号車GR86は、次期モデルの扉を開くことはできるのか。
そして、マスタードライバー・モリゾウを笑顔にすることができるのか。そちらも楽しみです。
Writer: 山本シンヤ
自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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