日産「新型エルグランド」初公開か!? 元祖「キング・オブ・ミニバン」ようやくの“全面刷新”に期待大! 次期「超高級ミニバン」の姿を徹底分析!

一刻も早く「e-POWER」の新型エルグランドを!

 現行エルグランドには、2.5リッター直列4気筒と、3.5リッターV型6気筒の2種類のガソリンエンジンが用意されています。

 どちらもマイルドハイブリッドでもダウンサイジングターボでもない、ひと世代前のエンジンがデビュー以来搭載されており、新型エルグランドに搭載するならば、どちらも早急な刷新が必要といえます。

3年以内には登場する予定だという新型車群にいたラージミニバンらしきクルマは「次期エルグランド」なのか!?
3年以内には登場する予定だという新型車群にいたラージミニバンらしきクルマは「次期エルグランド」なのか!?

 真っ先に浮かぶのが最新型「エクストレイル」に搭載されるハイブリッドパワートレイン「e-POWER」(VC TURBO)です。

 可変圧縮比システムが備わった1.5リッター直列3気筒ターボエンジンで発電するe-POWERシステムですが、2WD車はフロントに最高出力150kW(204PS)、最大トルク330Nmのハイパワーモーターを、e-4ORCE(4WD)車ではさらに、リアに最高出力100kW(136PS)、最大トルク195Nmのモーターを搭載しており、その走りは爽快そのもの。

 カタログ燃費もで19.7km/L(WLTCモード燃費)と申し分なく(4WDは18.4km/L)、現行エルグランドの3.5リッターエンジンの置き換えとしては十分でしょう。

 自動車税も、3.5リッター車の5万7000円から、一気に3万4500円(1.5リッター~1.0リッタークラス)へグッと安くなります。

 ただ、現在最大のライバルであるトヨタ「アルファード」は、2.5リッター直列4気筒ガソリンエンジンのFF車(税込540万円~)が売れ筋のひとつとなっています。

 アルファードに対抗するならば、新型エルグランドにも廉価なパワートレインが必須。既存の2.5Lのガソリンエンジンを流用するか、パワーや燃費が足らなければ、マイルドハイブリッドシステムを追加するのもいいかもしれません。

 2021年、ホンダの純正アクセサリーなどを扱うホンダアクセスが行った「クルマ選びとクルマの利用に関する調査」(自家用車を持っている20~69歳1000人が対象)によると、次にクルマを購入するときに重視するポイントのトップ3は、「価格」「燃費の良さ」、そして「運転のしやすさ」だったといいます。

 つまりは、どれほどカッコ良くて走りが良いクルマであっても、価格の高さや燃費の悪さで諦めることがあるということです。

 新型エルグランドも、廉価グレードはコストアップを極力抑えつつ、内外装デザインや先進装備などを強化するのが、最善だと考えられます。

 コンパクトカーの「ノート/ノートオーラ」やエクストレイル、コンパクトSUV「キックス」のようにe-POWER専売には絞らず、セレナと同じく、ガソリンエンジン車とe-POWERの2ユニット体制とするのが、ラージミニバンを求める顧客が求める姿なのではないでしょうか。

※ ※ ※

 2023年6月にフルモデルチェンジしたアルファードや兄弟車「ヴェルファイア」の販売動向、そして海外への輸出需要の高さを見ていても、ラグジュアリーミニバン市場は今後も高い需要が見込めることがわかります。

 1997年登場の初代エルグランドで高級ミニバン市場を開拓した日産としても、いつまでもアルファードやヴェルファイアの後塵を拝しているわけにはいかないでしょう。

 再びエルグランドを「キングオブミニバン」へと引き上げる施策が仕込まれるはずであり、新型エルグランドには大いに期待したいところです。

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Writer: くるまのニュースライター 河馬 兎

お金と法律に関する複数の資格をもつWEBライター。好きな言葉は「お風呂」と「ハイボール」

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