ワイパー「高速運転」はゴム寿命縮める? 面倒な交換ケチって「ゆっくりモード」本当にコスパは良いのか

クルマのガラスを拭く「ワイパー」は動く速さを変えられますが、劣化すると交換が必要です。劣化しないよう「低速モード」で使い続けることに、節約効果はあるのでしょうか。

高速モードのワイパーは寿命が縮まる?

 これから梅雨、夏と季節が進むにつれて、雨の中で運転することが多くなります。こうしたシーンでは、視界を確保するためにワイパーが欠かせません。
 
 ワイパーには、一般的に低速モードと高速モードが用意されていて、車種によっては作動する速さを段階的にチェンジすることが可能です。
 
 一般的に低速モードは1分間に45回ほど作動し、大雨でなければ低速モードで十分といわれています。一方、雨量が多い場合は、1分間に70回とより早く作動する高速モードが適切です。
 
 ここで脳裏にある不安がよぎります。高速モードにするとしっかり水滴を除去できますが、その代わりワイパーのゴムがより早く劣化するのではという不安です。

ワイパーを「低速」にすると長持ちするのか
ワイパーを「低速」にすると長持ちするのか

 というのも、ワイパーのゴムがガラスに接する部分は非常に薄く、0.01mmから0.015mmほどの厚みしかありません。なぜならワイパーの役割は「ウインドウの水滴を完全にぬぐう」ことではなく「ガラス面に均一の水の膜を作り、車内にまっすぐに光を入れること」だからです。

 実際どうなのでしょうか。高速モードでの使用とワイパーの寿命について、自動車整備士は次のように話します。

 「高速モードで使用し続けた場合にはゴムが傷む恐れがあります。ワイパーのゴムは消耗品のため、高速モードで使用し続けると単純に使用頻度が多くなるためです。

 しかし、基本的にワイパーが劣化したり拭き取りが悪くなる原因は、太陽光に当たることなどでの経年劣化です。高速モードで使い続けたこと”だけ”が原因となってワイパーのゴムの交換が必要になるケースはないと思います」

 また、別の自動車整備士は次のように話します。

 「高速運転では、フィンがついているものだと圧力がかかってゴムを押し付けるので、ゴムがすり減ったりすることがあります」

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