マツダ「新型ロータリーエンジンモデル」実車展示! 「RX-8」以来“11年ぶり”復活の「超すごいMX-30」をタイで公開
マツダは開催中の「バンコク国際モーターショー」で、新型「MX-30 e-SKYACTIV R-EV」を展示しました。どのようなモデルなのでしょうか。
復活の「ロータリーエンジン車」 タイにも登場
マツダは2024年3月27日、タイのバンコクで12日間開催される「バンコク国際モーターショー」にブース出展を実施しました。
ブースでは、タイでは初公開となった新型「MX-30 e-SKYACTIV R-EV(以下、MX-30 R-EV)」も展示されています。
MX-30は2019年10月に世界初公開されたコンパクトSUVです。マツダの電動化を主導するモデルとして、日本ではまずガソリンエンジンのマイルドハイブリッドモデルを2020年10月に発売し、2021年1月にはEVモデルも投入されました。
マツダ共通の「魂動デザイン」だけでなく、「フリースタイルドア」と呼ばれる観音開き式ドアや、マツダの祖業であるコルクに由来するサステナブルな「ヘリテージコルク」素材を用いたセンターコンソールの採用など、新時代のマツダを象徴するようなモデルとなっています。
そして、MX-30 R-EVは2023年1月に世界初公開されたプラグインハイブリッドモデルで、最大の特徴は発電用エンジンとして新開発のロータリーエンジンを搭載した点が挙げられます。
ロータリーエンジンは、シンプルな構造ながら小型軽量かつ、高い出力が得られ、静粛性にも優れるというメリットがありますが、実用化は難しく、唯一量産化に成功したのがマツダでした。
1967年に登場したスペシャリティカー「コスモスポーツ」に国産車初の2ローターロータリーエンジンを搭載以来、主力モデル「ファミリア」から上級モデル「カペラ」、スペシャリティモデル「サバンナ」など様々な車種にロータリーエンジンを採用。
国産スポーツカーの人気モデル「RX-7(当初はサバンナ)」にも採用され、世界三大レースのひとつであるル・マン24時間レース(1991年)では、初めてロータリーエンジンを搭載したモデルとして「787B」が総合優勝を飾りました。
一方で、排気ガス規制などの理由から4ドアスポーツカー「RX-8」が2012年に生産終了して以来、ロータリーエンジンの搭載は行われませんでしたが、11年ぶりの復活を遂げてMX-30 REVに搭載されることとなったのです。
新たに搭載された発電用ロータリーエンジン「8C-PH」型は、排気量830ccの1ローター式で、最高出力53kWを発生します。
MX-30 R-EVでは、このエンジンに高出力モーター、ジェネレーターと同軸上に配置した電動駆動ユニットを搭載し、17.8kWhのリチウムイオンバッテリー、50Lの燃料タンクを組み合わせて、独自のシリーズ式プラグインハイブリッドシステムを実現。
バッテリーEVとして85km(欧州WLTPモード)の走行距離を備え、さらに発電によって長距離ドライブにも対応します。
また、普通・急速両方の方式に対応した充電機能や1500Wの給電機能、「EVモード」「ノーマルモード」「チャージモード」の3つの走行モードも備えました。
エクステリアでは、フロントフェンダーにローターの形状と電気を表す「e」を組み合わせたバッジをテール部に、e-SKYACTIV R-EVのバッジをそれぞれ装着します。
マツダ・セールス(タイランド)の社長である三浦 忠氏は、以下のようにコメントしています。
「マツダはカーボンニュートラルを目指し、内燃機関から電動への移行が進む時代のなかで、地域に応じた多様な技術を提供し、選択肢を追加していきます。
そのなかでも、ロータリーエンジンを覚えている人も多いでしょう。ロータリーエンジンはマツダにとって、障壁に直面しても決して諦めないこと、創造性の象徴です。
歴代のマツダスポーツカーの原動力であるロータリーエンジンは、現在に至るまで脈々と受け継がれ、世界中で通用するスポーツ品種のDNAとなっています。
MX-30 R-EVには、新たなe-SKYACTIV R-EVテクノロジーが採用され、このロータリーエンジンの伝説がよみがえります」
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MX-30 R-EVの日本での価格(消費税込)は423万5000円から491万7000円です。
タイへの投入に関しては発表されていませんが、今回の展示では販売を見据えた参考出品と見られ、今後の展開についても期待が高まります。
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