軽の「スポーティハッチバック」登場!? イケてる「ミライース」なぜ出来た? ダイハツだから出来るコトとは
認証不正問題は残るが…いまダイハツがやるべきコトは?
ただ、ダイハツは現在、認証不正問題で世の中を騒がせています。
3月1日付で井上雅宏新社長を中心とした新体制がスタートしたものの、はっきりとした経営方針は発信されていません。
そうしたなかで「モータースポーツなどけしからん!」とお怒りの人もいるかもしれませんが、この取り組みはPR活動ではなく車両開発の一環です。
実は2022年にダイハツは13年ぶりにモータースポーツ活動を再開。ダイハツのHPには「DAIHATSU GAZOO Racing」の名の元に、様々な活動が行なわれています。
その内容はTOYOTA GAZOO Racingと全く同じで、「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」が目的になっています。
すでに「コペン(WRC/全日本ラリー)」や「ロッキー(TGRラリーチャレンジ)」をベースにしたモデルでのモータースポーツ活動が行なわれていますが、ミライースもその取り組みのひとつと言うわけです。
不正認証問題では効率重視が問題視されましたが、ダイハツ社内にはその流れを自らの手で変えようとしていた人達がいたのです。
実は先日のダイハツ記者会見の席で、ダイハツ不要論を唱える記者から「トヨタはダイハツではなく提携しているスズキに軽自動車を任せればいいのでは?」と言う質問の回答に納得できず、「それならば、ダイハツにできてスズキにできないことは何だ?」と。当然、ダイハツから明確な答えは出ませんでしたが、筆者なりに考えてみました。
ラインナップで見ると、確かにスズキにはジムニー、ダイハツにはコペンとそれぞれには用意されていないモデルがありますが、これは商品戦略上の問題で、技術的に「できる/できない」の話とは異なります。
では一体何なのか、筆者の結論は「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」かなと思っています。
スズキもかつては「スズキスポーツ」を率いてモータースポーツ活動を行ない、そこでのノウハウ・知見が活かされたモデルが生まれたものの、リーマンショックの影響もあり2010年のWRC撤退を機にスズキスポーツ株を売却。それ以降はそのような活動は行なれていません。
ダイハツも2009年に同様の理由でモータースポーツ活動から撤退しましたが、トヨタのやり方を学ぶべく復活。
それもダイハツの強みが活かせる部分、トヨタよりもより手軽に、より身近に、よりアフォーダブルな部分に注力した活動が主となっています。
もちろん、この活動ですぐに何かが変わるかどうかは分かりませんが、筆者はダイハツ再建のための重要な活動になると信じています。
そのためには、周りから何を言われようと「参戦し続ける」こと。クルマ屋の問題はクルマで解決するしかないのです。
Writer: 山本シンヤ
自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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