「次期パジェロ」登場に期待大!「本格復活」の兆し見せる三菱の“新型車”に課せられた「重要な役割」とは
新型「トライトン」は三菱の新時代をけん引する象徴だ
その上で、改めて近年の日本での三菱の動向を振り返ってみましょう。
新型「アウトランダーPHEV」や軽EVの「eKクロスEV」という最新電動車の導入によって、今「技術の三菱」復活というブランドイメージが徐々に広がってきているところです。
さらに、三菱としては珍しい可愛いキャラクター「デリ丸。」を擁するSUVテイストの軽スーパーハイトワゴン「デリカミニ」は、三菱に限らず国内市場全体の中でも、マーケティング戦略の成功事例として注目が集まっています。
こうして三菱が上昇機運に乗る中で、日本市場に復活した新型トライトンの存在は極めて重要だと言えるでしょう。
SUVや軽自動車に比べれば、販売台数は限定的でも、新型トライトンは「強い三菱」や「もっと攻める三菱」といった三菱ブランドの推進力を担うからです。
そもそも、トライトンは世界150ヶ国で年間約20万台を販売する三菱の屋台骨です。1978年からの累積販売台数はや560万台強。
2ドアの廉価モデルから、4ドアモデルの上級モデルまで、仕向け別に多様なレイアウトを用意しています。
そのうち日本市場向けの新型トライトンは、あえて最上級モデルに集約し、三菱ブランド全体を牽引していくという、したたかな事業戦略だと言えるでしょう。
1980年代から1990年代にかけ全盛期を迎えていた往年の三菱は、本格四輪駆動車シリーズの「パジェロ王国」として繁栄し、またWRC(世界ラリー選手権)で「ランサーエボリューション(ランエボ)の雄姿」が世界を魅了してきました。
その後、商品イメージが強いモデルが徐々に減り、またモータースポーツとの連携も薄れていった印象があった三菱。
それが今、ルノー・日産・三菱アライアンスという大きな転換期を経て、さらなる飛躍に向けて動き出しています。
その象徴が、新型トライトンの日本市場復活なのです。
Writer: 桃田健史
ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。
近著に「クルマをディーラーで買わなくなる日」(洋泉社)。
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