自転車の違反に「青切符」適用!「112種の行為」が対象に!? 対象条件は? 取り締まりはどう変わるのか
政府は、自転車の交通違反に反則金制度を導入することを盛り込んだ道路交通法改正案を閣議決定しました。今後自転車の違反に対する取り締まりはどのように変わるのでしょうか。
「青切符」の対象となる交通違反とは?
2024年3月5日に政府は、自転車の交通違反に反則金制度を導入することを盛り込んだ道路交通法改正案を閣議決定しました。
では、今後自転車の違反に対する取り締まりはどのように変わるのでしょうか。
自転車は免許なしで運転できるという特性から、通勤や通学、日々の買い物など多くの人が利用しています。
その一方で、自転車の悪質・危険な運転による事故や交通違反は後を絶ちません。
警察庁の統計によると2022年中、自転車が関連する事故は6万9985件、事故全体に占める割合は23.3%でした。
この割合は2016年以降増加傾向にあります。
また自転車による交通違反の検挙件数も過去10年で飛躍的に増加し、2022年中は2万4549件が検挙されました。
検挙件数は多い順に「信号無視(1万2498件)」、「指定場所一時不停止(4679件)」、「遮断踏切立入り(3880件)」という結果でした。
このような状況を受け、2024年3月5日、政府は自転車の交通違反に対して「交通反則通告制度」の適用を盛り込んだ道路交通法の改正案を閣議決定。
では、今後自転車の取り締まりはどのように変わるのでしょうか。
そもそも交通反則通告制度は、運転者が違反点数3点以下の比較的軽微な交通違反をした場合、一定期間内に反則金を納付すれば刑事罰の対象とならずに違反が処理される制度です。
現在はクルマやバイクの違反に適用されており、「青切符」で処理されます。
さらに自動車による飲酒運転やあおり運転など、交通反則通告制度を適用できない重大な違反については「赤切符」と呼ばれる書式などを活用して検挙され、刑事罰の対象となります。
これまで、自転車の違反に関しては警察官の警告に従わずに違反を続けた場合や交通事故に直結する危険な行為をした場合などに赤切符で検挙していました。
しかし赤切符による事件処理は、警察が違反者からの事情聴取や複数の書類を作成する必要があるほか、違反者側も取り調べのために検察機関に出頭しなければならないなど、双方の負担が決して少なくありません。
加えて、赤切符で検挙しても結果的に不起訴となる事例が多く、違反者への責任追及が不十分という点も指摘されてきました。
そこで、これらの問題を解決するため自転車の違反に交通反則通告制度(青切符)を適用する運びとなったのです。
この制度の対象となる自転車の違反行為は112種類で、信号無視や一時不停止、通行区分違反(右側通行、歩道通行)など自動車でも交通違反に当たる行為のほか、自転車の歩道徐行等義務違反といった自転車特有の行為も含まれます。
また交通反則通告制度の対象とならない酒酔い運転やあおり運転、自転車運転者講習受講命令違反などをおこなった場合は従来どおり赤切符、つまり刑事罰の対象となります。
なお、この制度は「義務教育を修了し、基本的な自転車の交通ルールに関する最低限の知識を有している」として16歳以上の運転者に適用されます。
インターネット上では青切符の導入によって「自転車の取り締まりが厳しくなるのでは?」と不安の声も聞かれますが、警察庁は自転車の違反に関しては原則「指導警告」とし、特に悪質・危険な違反に限って青切符で取り締まる方針を示しています。
そして青切符で検挙する違反の具体例として「ながらスマホで赤信号無視」や「警察官の警告に従わず赤信号無視」、「歩道上で歩行者を立ち止まらせてその通行を妨げた」などの状況を挙げています。
基本的な交通ルールを守っていれば検挙される可能性は低いとみられますが、原則車道の左側を通行する、自転車通行が可能な歩道であっても歩行者を優先するなど、自転車のルールを再確認することが大切といえるでしょう。
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今回の道路交通法改正案は現在開会中の通常国会に提出され、成立すれば公布から2年以内に施行されます。
自転車に対する交通取り締まりの大きな転換点ともいえる改正であり、今後の動向が注目されます。
画像の物は自転車専用と書かれていないので、道交法で走行義務のある「自転車専用レーン」でなく、東京都のいう「ナビライン」、法律的な意味はない単なる案内だよね。誤解を生むようなあおりの記事は修正してほしいところ。その幅の車線を無理に自転車で走ると突然車道に転倒などを誘発して、かえって危険なのは明白。