進化した「GRヤリス」は何がスゴい? 速いDATで雪道を激走!? GRカローラも同時試乗!伝説セリカも展示、雪の楽しみ方とは
GRカローラはどんな感じ? まさかのタイムアタックでGRヤリスの凄さをさらに体感!?
最後にGRカローラに乗ります。
制御系はVSC:OFF、4WDモード:TRACK(50:50)、ドライブモード:NORMALで走ります。
GRヤリスと比べて200kg重いので、GRヤリスと同じ304ps/400Nmのパフォーマンスながらも穏やかな特性ですが、むしろ今回の低μ路では扱いやすさを感じたくらいです。
ハンドリングは重さを基本素性の良さ(ロングホイールベース、ワイドトレッド、GA-Cプラットフォームのスタビリティ)でカバーしています。
タイヤのグリップに頼れないのでコーナー進入時は注意が必要ですが、シッカリとノーズが入ってしまえば、クルマの動きが穏やかで挙動変化が予測しやすいので、GRヤリス以上にコントローラブル。
その上、スイートポットも広いので、ミスを上手にカバーしてくれるのも嬉しいポイントです。
ただ、勘違いしてほしくないのはGRカローラがGRヤリスに対してダル/鈍感な走りなのではなく、クルマの動きに僅かな間とタメができたようなイメージで、穏やかな挙動が逆にドライビングの手の内感を生んでいると感じました。
そんなキャラクターだからこそ、DATが欲しいと感じてしまったのも事実です。
試乗会の最後に参加者全員で氷に近いカチカチの圧雪路でタイムトライアルを実施。
車両は進化型GRヤリスのDATがベースのラリー開発車両(縦引きサイドブレーキ付)とGRカローラのラリー開発車両(今後の改良に向けた試作品が随所に装着)の2台のどちらかを選択(共にダンロップの競技用スタッドレスSP SPORT 56-Rを履く)。
コースは単純なパイロンスラロームですが、意図的なのか偶然なのかパイロンの位置が微妙バラバラ(笑)。
余興と言いながらも、勝負事になるとみんな「負け嫌い」になるのは自動車メディアの常。
誰もが顔は笑っていながらも真剣モードです。筆者は進化型GRヤリスを選択。制御系はVSC:OFF、4WDモード:TRACK(60:40~30:70に可変)、ドライブモード:SPORTを選択。
DATはマニュアルモードの2速固定かDレンジお任せで悩みましたが、クルマを信じて後者を選択。結果は、一番時計を刻んで優勝(厳密には二人同タイム)。
優勝賞品は、進化型GRヤリスを期待しましたが、皆さんの温かい拍手でした。
タイムを出すためのポイントは、「駆動で曲がる」、「派手な挙動は出さない」、「でも、時には大胆に」でした。
とは言え、お手本の勝田範彦選手とは1.69秒の差だったので、まだまだ修行は足りないなと。
※ ※ ※
すでに進化型GRヤリスへの買い替えを決めた筆者ですが、今回の試乗で“道を選ばず楽しめる”スポーツ4WDをより実感できました。
ちなみに「私をスキーに連れてって」でのトヨタ・セリカGT-FOURは、道なき道を走る→ジャンプ→スキー場を滑降→最後はロールオーバーで大破となってしまいますが、GRヤリスは「壊しては直し」を繰り返して鍛えられてきたので、大丈夫でしょう。
Writer: 山本シンヤ
自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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