関東で大雪の可能性 車の「立ち往生」リスク高まる 過去には「38時間」動けないことも… どう備える?
2024年2月5日から6日の午前中にかけて、南岸低気圧の影響で関東地方では降雪予報となっています。そうしたなかでやむを得ずクルマを運転する場合、大雪による立ち往生に注意が必要です。もし巻き込まれた場合は、どう対処すればよいのでしょうか。
大雪で「立ち往生」 どう対処する?
2024年2月5日から6日午前中にかけて、南岸低気圧の影響で関東地方では山沿いを中心に大雪が見込まれ、平野部でも積雪の恐れがあると予想されています。
一方、大雪が降ることが稀な地域では、道路でクルマの立ち往生が発生することがあります。こうした立ち往生に遭遇した場合、どのように対処すればよいのでしょうか。
スタッドレスタイヤやタイヤチェーンなど、自分のクルマにできる限りの対策をしていたとしても、他のクルマの立ち往生に巻き込まれてしまう可能性があります。
2024年1月24日から25日にかけて、名神高速の関ヶ原IC付近(岐阜県関ケ原町)では大雪でトラックが動けなくなり、約19時間にわたる複数台の立ち往生が発生しました。
さらに、2022年12月の大雪では、新潟県内の関越道や国道17号で立ち往生が発生。柏崎市内の国道8号では、約22kmにわたっておよそ800台のクルマが動けなくなり、最大38時間の通行止めが発生しています。
こうした大雪による立ち往生は、長時間にわたって車内に取り残されてしまうことで命にかかわる危険も想定されるため、適切に対処することが必要です。
まず、立ち往生が発生した際に最もリスクが高いのが「一酸化炭素中毒」です。
クルマの排ガスには一酸化炭素が含まれており、立ち往生している間にも雪が降り続くと、比較的低い位置についているクルマの排気口(マフラー)は、早い段階で雪に埋もれてしまう可能性があります。
エンジンがかかった状態で排気口が塞がると、一酸化炭素を含んだ排ガスがクルマの下に溜まり、ドアなどの隙間やエアコンの外気導入口から車内に入り込んでくる危険があります。
一酸化炭素には色や臭いなどがなく、目や鼻に感じる刺激がないため、気づかないうちに車内に流入して吸ってしまうことも考えられます。
JAF(日本自動車連盟)の行ったテストによれば、ボンネットの上までクルマが埋もれた状態では、約20分で車内の一酸化炭素濃度が命の危険のある濃度にまで達するという結果が出ています。
そのため、雪の中で長時間停車しなければならない状況に陥った場合は、定期的に排気口付近の雪を取り除き、排ガスを滞留させないようにすることが大切です。
また、降雪量が多い時には降り積もった雪によってドアが開かなくなってしまうことも想定されるため、排気口に加えてドア付近もしっかりと除雪しましょう。
さらに、積雪時の立ち往生で考えられるもうひとつの危険性は「寒さ」です。
一酸化炭素中毒を避けるためにあえてクルマのエンジンを切ったり、ガス欠を起こしてエンジンがかけられなかったりすると、暖房が使えなくなることで、車内の温度が急速に低下します。
ガソリンに余裕がある場合は、排気口付近の除雪を定期的に行うことを前提に、エンジンと暖房はかけっぱなしにしておくほうがよいでしょう。
もしエンジンを切る場合には、体が冷えないように防寒具をしっかりと着込んで、カイロなどを使用するなど防寒対策が必要です。
ほかにも、寒いからといって車内で長時間座って過ごしていると「エコノミークラス症候群」の危険も高まります。
1時間に1回程度は車外に出て体を動かしたり、車内で足や足の指を動かす体操やマッサージを行ったりすることが大切です。
大規模な立ち往生が発生した時には、食料やガソリンなどが供給されることがあるため、スマートフォンのバッテリーを温存しつつも、政府や自治体のウェブサイトやSNSなどの最新情報を収集するとよいでしょう。
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大雪が予想される日には最新の気象情報をチェックして、ルートを変更することに加え、予定を取りやめることも大切です。
また、クルマの中には立ち往生に遭遇した時の備えとして、除雪するためのスコップやシャベルのほか、毛布やカイロ、厚めの上着などの防寒具、除雪作業用の長靴や軍手、ゴム手袋などを載せておくとよいでしょう。
さらに、日頃から燃料を満タンにしておいたり、非常食や飲料水、簡易トイレなどの防災グッズを載せたりしておくと安心です。
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