全長5m&2000万円超えの新型「プレミアムセダン」初公開! 斬新「コの字ライト」が印象的な「U7」 24年に中国で登場か
BYDが展開するプレミアムブランド「仰望」は2024年1月、ティーザー画像数点を公開して純電動セダン「U7」の登場を予告しました。
BYDプレミアムブランド「仰望」、第三弾モデル「U7」登場間近へ
中国の自動車メーカー「BYD」が展開するプレミアム電動ブランド「仰望」から、新たに純電動セダンが登場します。
いったいどのようなクルマなのでしょうか。
電気自動車(BEV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)で知られている「BYD(中国語:比亜迪)」は、元は1995年に広東省深セン市に設立されたバッテリーメーカーに端を発します。
2003年、陝西省に本拠地を置く国営自動車メーカー「西安秦川汽車」を買収したことにより、自動車部門「BYD汽車」がスタートしました。
現在はバッテリーや自動車のみならず、内燃機関や半導体、各種自動車用コンポーネンツ、電子機器の樹脂部品、電動交通システムなど、幅広い製品を手がける一大企業にまで発展しました。
自動車メーカーとしての歴史はまだ20年ほどですが、2023年には全世界で年間302万4417台を販売、前年比61.9%アップという業績を記録しました。
そのうち、乗用車は301万2906台、商用車は1万1511台となります。また、乗用車の販売台数におけるBEVは157万4822台、PHEVは143万8084台と、BEVとPHEVの割合はほぼ半分。
特筆すべき点は2023年第4四半期における販売台数で、BYDはBEVだけで52万6000台を販売と、同期間に48万4500台を販売したテスラをついにBEVのみの販売台数で上回りました。
BYDはここ数年で急激に中国国内のシェアを伸ばすだけでなく、日本やオーストラリア、タイなどのアジア太平洋諸国にも続々と進出しています。
かねてより電気バスを販売していた日本では2023年1月より乗用車の販売も開始、2023年は年間1446台を販売しました。
知名度がまだ低い中国の自動車メーカーの参入初年としては注目すべき台数であり、今後もこの台数は伸びていくことが期待されます。
そんなBYDですが、乗用車のラインナップは本家BYD以外に、メルセデス・ベンツとの合弁で設立された「デンツァ(騰勢)」、プレミアムEVブランド「仰望」、そしてオフロードEVブランド「方程豹」などのブランドも同時に中国で展開しています。
そのうち、仰望から新たなモデルが登場することが発表されました。
BYDの「仰望」は2023年にローンチされたばかりの新ブランドで、今までの商品群よりもさらにプレミアムなEVを取り揃えます。
ブランド設立とともに発表されたのは高級オフローダー「U8」と純電動ハイパーカー「U9」で、このうち前者は2023年10月に開催されたジャパンモビリティショー2023にて日本初公開を迎えました。
U8は自社開発の2リッター直列4気筒ターボエンジンに、容量49.05 kWhのリン酸鉄リチウムイオン電池、合計出力1180 hpにまで達する4つのインホイールモーターを組み合わせたレンジエクステンダー付きEV(EREV)のオフロード車です。
また、U9は出力1287 hpを誇るBYD初のスーパーカーとして2024年中の発売が期待されています。
そしてこれらに次ぐ第三弾モデルとして、仰望は2024年1月、ティーザー画像数点を公開して純電動セダン「U7」の登場を予告しました。
一方、詳細なスペックは明らかにされなかったものの、一部に関しては中国政府機関のウェブサイトにて情報が公開されました。
この情報が判明したのは中華人民共和国工業情報化部(通称:工信部)の公式サイトです。
工信部は日本でいうところの経済産業省や総務省の業務を扱う機関となり、中国では自動車メーカーが中国国内で製造する新型モデルを正式発表する前に、その情報を工信部に届け出る必要があります。
工信部への届出情報によると、仰望 U7は全長5265 mm x 全幅1998 mm x 全高1517 mmのボディを持ち、ホイールベースは3160 mmを誇るとのこと。
同クラスに位置する純電動セダンとしてメルセデス・ベンツ EQSが挙げられますが、こちらは全長5225 mm x 全幅1925 mm x 全高1520 mm、ホイールベース3210 mmと、全長と全幅は仰望 U7の方がわずかに上回ります。
一方、車両重量に関してはメルセデスベンツ EQSが2530 kgに抑えられているのに対し、仰望 U7は脅威の3095 kgと、3トン超のBEVになります。
フォードの純電動ピックアップトラック「F-150 ライトニング」では容量131 kWhのバッテリーを搭載する最上位グレードが重量3126 kgとなり、それに匹敵する重さとなります。
重い車体を動かには相応のパワートレインが必要となります。
仰望 U7の搭載バッテリーに関する詳細は依然として明らかでないものの、モーターは出力321 hpのインホイールモーターを四輪それぞれに搭載、合計出力は1287 hpを誇ります。
参考までに、メルセデス・ベンツ EQSの最上位グレード「EQS 53 4MATIC+」では出力750 hp、0-100 km/h加速を3.4秒でおこないます。
仰望 U7の加速性能に関する情報も明らかではありませんが、出力は仰望 U7の方がはるかに上回り、0-100 km/h加速の数値も3秒台前半になることは確実でしょう。
エクステリアデザインはスーパーカー「U9」と共通したフロントマスクが特徴的です。全体的なシルエットは低く抑えられており、流れるように描かれたボディラインはCd値0.195を実現したとのこと。
リアのスポイラーは格納式となっており、速度に応じて展開されると予想されます。また、通常のサイドミラーを置き換えるデジタルアウターミラーもオプションとして設定されることが、工信部への届出情報から判明しています。
カーボン製フロントリップやリアディフューザー、サイドステップも用意され、プレミアムさと同時にスポーティなドライビングエクスペリエンスももたらしてくれることでしょう。
仰望 U7の具体的な販売価格と時期は明らかとなっていませんが、少なくとも「100万元(邦貨換算約2045万円)」級になると予想されます。
また、時期に関しても工信部に情報が掲載されたということは、そのモデルがまもなく登場することを表しています。そのため、2024年上半期には正式に発売されると見て良いでしょう。
中国では日本円で2000万円を超えるクラスのBEVが相次いで登場しています。
BYDもこの流れに乗り遅れないべく、仰望ブランドを設立した経緯があります。仰望 U7はこれまでに発表されている「U8」や「U9」と比べてより実用的なポジションに位置することもあり、中国国内における注目度は高いと言えるでしょう。
全体的にデザインはよくなったと思いますがフロントがちょっとね~。
流行りの鮫顔を取り入れたのは良いのですが、すこしライト周りが大きすぎるかな。
サイドとリアの処理は飛躍的に伸びてますが、フロントが重すぎるデザインという
のが中華って感じですね。