デビュー4年でも販売好調! スズキの「軽SUV」なぜ人気? 非スライドドア車の「ハスラー」が支持されるワケ
軽自動車では背が高くてスライドドアを備えた「軽スーパーハイトワゴン」が売れ筋ですが、そんななかスライドドアを装備しないスズキの軽SUV「ハスラー」の販売が好調です。人気車となったのはなぜなのでしょうか。
ハスラーの売れ行きが順調な理由は?
2023年1月~12月に国内で販売された軽自動車の中で、届け出台数の1位はホンダ「N-BOX」でした。
2位はダイハツ「タント」(2024年1月時点では出荷停止中)、3位はスズキ「スペーシア」といったように、軽自動車のトップ3は、すべて全高が1700mmを超えるスライドドアを装着した「スーパーハイトワゴン」です。
今の若いユーザー世代では、1990年代の後半から普及を開始したミニバンに親しんで育った人も多く、軽自動車でもスライドドアを装着した背の高い車種が好まれます。
なお、軽自動車の販売4位はダイハツ「ムーヴ」(2024年1月時点では出荷停止中)と公表されていますが、今では「ムーヴキャンバス」に1本化されています。
ムーヴキャンバスの全高は1700mm以下ですが、スライドドアを装着しているため、スーパーハイトワゴンに準じた軽自動車とも考えられるでしょう。
そうなると人気の装備とされるスライドドアを装着しない横開き式ドアの軽自動車で、販売の最も好調な車種は何でしょうか。それは5位に入ったスズキ「ハスラー」です。
2023年のハスラーは、スーパーハイトワゴンの日産「ルークス」や、伝統あるスズキ「ワゴンR(ワゴンRスマイルを含む)」以上に多く売られているのです。
現行ハスラーは、ワゴンRと基本的な機能を共通化した背の高い軽自動車で、2019年に登場しました。全高は1680mmと比較的高く、4名乗車の可能な居住空間を備えています。
身長170cmの大人4名が乗車した時、後席に座る乗員の膝先には握りコブシ3つ半が収まるため、ゆったりと快適に乗車できます。
前席の下にも十分な空間があり、後席に座る乗員の足がスッポリと収まります。そのために後席を前側にスライドさせ、膝先空間を握りコブシ2つ弱まで詰めても窮屈ではありません。この状態であれば、4名で乗車して、後席の後ろ側に十分な荷物を積めます。
シートアレンジも多彩です。後席の背もたれを前側に倒すと、座面も連動して下がり、平らな広い荷室に変更できます。
後席の多彩なアレンジは、前後のスライド機能も含めてすべて左右独立式で、このレイアウトを全高が1700mm以下のボディで実現した軽自動車は、スズキのハスラーやワゴンRだけ。
全高が1700mm以下の他社の軽自動車では、シートアレンジはここまで充実していないのですが、ハスラーなら後席の後ろ側にベビーカーも積みやすく、子育て世代のユーザーにも適しています。
さらに、荷室の床などに汚れを落としやすい加工が施され、屋外で使ったグッズも気兼ねなく積めます。
収納設備も豊富で、助手席の前側を見ると、上からアッパーボックス、トレイ、グローブボックスが上下3段に並びます。助手席の座面の下にも、大容量の収納ボックスが備わり、ハンドルが装着されていいて、車外に持ち出すことが可能です。
これらの実用的な機能を備えた上で、外観をSUVらしくカッコ良く仕上げたことがハスラーの魅力といえるでしょう。ヘッドランプは丸型で、遠方から見てもハスラーだと識別できます。
特に今は、スズキ「ジムニー」やトヨタ「ランドクルーザー70」など、丸型ヘッドランプのSUVが人気を高めています。ハスラーもこの流れに沿って注目されています。
ハスラーはボディカラーも豊富で、モノトーンが5色、2トーンは8種類が用意されます。色彩もユニークです。
例えばベーシックな「G」で、ソフトベージュ&オフブルーの2トーンボディカラーを選ぶと、スチールホイールがベージュにペイントされます。ほかの車種とは異なるカジュアルな野性味を感じます。
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