なぜ「プリウス」は25年間も“スゴイ”クルマであり続けるのか!? 5代目プリウスが再び「蘇った」理由とは

再び蘇った5代目「プリウス」! 開発チーム奮起のきっかけは「4代目」!?

 2003年に登場した2代目プリウスは、キャビンスペースを確保しながら空気抵抗を減らすため、4ドアセダンから5ドアハッチバックに変更。基本的に初代後期型と同じパワーユニットを使う。

 改めて2代目プリウスを振り返ると、インテリアなどにお金をしっかり掛けており、良心的なクルマ作りだった。

5ドアハッチバックの流麗なフォルムは、2003年に登場した2代目「プリウス」から始まりました
5ドアハッチバックの流麗なフォルムは、2003年に登場した2代目「プリウス」から始まりました

 また、2代目からアメリカへの輸出も始まり、折からのガソリン高騰を追い風に、途中から販売台数を一気に伸ばす。

 決定的なヒット作となるのが、2009年登場の3代目プリウスだ。

 ボディはさらに大型化し、それに見合った動力性能を持たせるべくエンジンも1.5リッターから1.8リッターへ拡大した。

 それだけだと燃費が落ちてしまうことから、モーターの効率を高めるリダクションギアを使う第2世代のハイブリッドといえる「THS(トヨタハイブリッドシステム)-II」になった。

 併せてパワーユニットの原価低減を行い、実質的に値下げ。デザインも高い評価を得て、世界的なヒットを飛ばす。

 3代目プリウスは、6年間の総生産台数227万台。月間4万台近く売れた年もあったほど。

 しかしその流れを受けて2015年にデビューした4代目が、徹底的に酷かった。

 デビューから2年くらいはプリウスという“バッジ”で売れたが、そこから急降下。最終的に3代目の10分の1くらいの台数になってしまう。

 この流れを受け「プリウスの寿命は終わった」と判断する人がトヨタ内部で多かったそうな。「タクシー専用車にしたらいい」という意見もあったほど。

2023年12月22日・23日に開催された「タイ10時間耐久レース」に出場した5代目「プリウス」のカーボンニュートラル燃料を使用したレース仕様車「CP ROOKIE PRIUS CNF-HEV GR concept」
2023年12月22日・23日に開催された「タイ10時間耐久レース」に出場した5代目「プリウス」のカーボンニュートラル燃料を使用したレース仕様車「CP ROOKIE PRIUS CNF-HEV GR concept」

 しかしトヨタの中嶋副社長(当時はプリウスクラスのプレジデント)や開発陣が「どうせ売れないのなら思い切りクルマ好きに振ってやる!」と開き直り、5代目の超スタイリッシュなデザインを選択。

 しかもパワフルな走りを追求したクルマになった。

 開発チームは、唸りを上げる「空振り」となることも覚悟したという。

 欧州仕様など、4代目プリウスの売れ行きが酷かったため、PHEVしか用意しなかったほどである。

 しかしフタを開けてみたら、5代目プリウスは世界中から圧倒的な評価を受けた。

 直近では販売に生産が全く追いつかない状況。やはりクルマって「デザイン」だ。

※ ※ ※

 先日、タイで耐久レース仕様の5代目新型プリウスが出てきた。

 写真を見て頂ければ解る通り、クーペルックのボディシルエットで、サーキットにもめっちゃ似合う。

【画像】めちゃカッコいい! 斬新すぎる5代目「プリウス」を画像で見る(30枚以上)

参加無料!Amazonギフト券贈呈 自動車DXサミット BYD登壇 最新事例を紹介(外部リンク)

画像ギャラリー

Writer: 国沢光宏

Yahooで検索すると最初に出てくる自動車評論家。新車レポートから上手な維持管理の方法まで、自動車関連を全てカバー。ベストカー、カートップ、エンジンなど自動車雑誌への寄稿や、ネットメディアを中心に活動をしている。2010年タイ国ラリー選手権シリーズチャンピオン。

1 2

実績500万人超!お得に車売却(外部リンク)

新車不足で人気沸騰!欲しい車を中古車で探す

【NEW】自動車カタログでスペック情報を見る

【2025年最新】自動車保険満足度ランキング

最新記事

メーカーからクルマをさがす

国産自動車メーカー

輸入自動車メーカー