ホンダ「“次期型”シティ!?」な「新ハッチバック」実車公開! 実際の関連性は? 市販化は!? “ただのコンセプトカー”じゃない「SUSTAINA-C」の正体とは
SUSTAINA-C Conceptと「シティ」の関連性は?
さて、SUSTAINA-C Conceptを眺めていると“あの”クルマを思い浮かべた人も多いでしょう。ストレートに古仲さんに聞きました。
すると、「年代にもよりますけど、ご存じの方は昔の『シティ』や、『Pocket Concept』は『モトコンポ』に見えるでしょうね」と認めます。
「ホンダは75年間、クルマとオートバイを作り続けてきました。そこには先輩方が作ってきたすごい財産がたくさんあるんです。そういったものをうまく次に伝えていきたいという思いもありました」とのこと。
ちなみに、「ホンダとしてはオフィシャルにオマージュだとはいっていませんが、見る人が見たらああそうだなというメッセージが込められていています」と話します。
このエクステリアデザインにも通常とは違う成り立ちがありました。古仲さんによると、「以前、ホンダらしいユニークネスをテーマにデザインコンペをホンダのデザインスタジオの中で行いました。
そこにこのデザインが提案されたんです。それを見た皆が、知ってる人はホンダだよこれはと思ってもらえるし、若い人はモチーフとなったクルマを知らなくても、なんだか良さそうでホンダっぽいと感じてもらえるという話になったことから、このデザインを選択しました」と言います。
そこにはもうひとつ思いが込められていました。「今はクルマの作り手側の事情で、電気自動車が大きくて(値段も)高いでしょう。しかしフレンドリーさみたいなところが一番ホンダらしいと思うのです。
ギュッと一台に楽しさを凝縮したみたいなイメージですね。例えばホンダeも割とそういう観点に近かったと思いますが、それ以上にSUSTAINA-C Conceptには技術がいっぱい入っています。そしてその技術は人に感じてもらうためのものですから、理屈っぽくてはダメ。パッと見ていいな、楽しいな、こういうの触ってみたい、乗ってみたいと感じられるものであること、そこを狙っています」と話します。
そしてそのデザインをもとに、プロトタイプを作り上げていきました。そこでは前述の樹脂外板を使うだけでなく、テールゲートをスマホの画面のように真っ黒にして、できればタッチパネルにしてみたいと思ったそうです。
「テールゲートを触ったらいろいろなことができるイメージです。また、リアコンビランプのデザインも自分の好きな形にできるようにすることで、運転するだけではなくちょっと触って楽しめる、自分がいじれるようなクルマの楽しさも取り入れています」。これもエゴの部分といえるでしょう。
モトコンポ!?
SUSTAINA-C Conceptの横にあるPocket Conceptについても教えてもらいましょう。これはやはりモトコンポをモチーフにしているのでしょうか。
古仲さんは、「これもモトコンポとはいっていないんですけれど、もちろん折りたたんだ状態で積載できるようにしています」と機能もモトコンポ譲りです。
デザインは二輪のデザイナーが手掛けたそうで、同じようにホンダのヘリテージの中から何か良いものを提案するというコンペのアイディアから生まれたとのこと。
SUSTAINA-C Conceptと同じ素材の外板パネルを使っていますが、「二輪車は比較的樹脂パーツを多く使っていますので手慣れた感じがしますね。そうして、これらをセットで見せることによってご存じの方からすると、電気の時代になって(シティとモトコンポが)戻ってきたと思ってもらえるでしょうし、若い人は何これ楽しそうと感じてもらえるでしょうね」とコメントしていました。
あくまでも実験・研究段階の素材を使ったモデルとして、実際に製品化されたらこうなるんだなと目に見えるように作られたのが、このSUSTAINA-C Conceptです。
だからといってデザインに手は抜いていません。75年の歴史を振り返りホンダらしさを追求したものといえます。
このままで出ることはないでしょうが、歴史に目を向けたことで、そこから何かを得たことに間違いはないでしょう。今後新たに投入されるであろう小型BEVにもこのエッセンスが採用されることに期待したいものです。
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