トヨタが新「凄いハイラックス群」の実車公開! ガソリン・ディーゼルだけじゃない…!? 「選択肢を狭めない」ラインナップを提案! 乗って分かる違いとは

2023年12月末のタイに「8代目ハイラックス」をベースにしたディーゼルハイブリッド・燃料電池(FCEV)・電気自動車(BEV)が一同に集まりました。トヨタの「マルチパスウェイ戦略」を表すハイラックス群とはどのようなものなのでしょうか。

既存のガソリン・ディーゼル以外にディーゼルハイブリッド・燃料電池(FCEV)・電気自動車(BEV)も提案! 「誰一人取り残さない」ハイラックス群とは

 1968年に登場したピックアップトラック「ハイラックス」。
 
 現行モデルは2015年に登場した8代目です。
 
 日本では特別仕様車「Z“Revo ROCCOEditionが登場したばかりですが、タイで3台の“特別”なハイラックスに試乗してきました。
 
 そのキーワードは「マルチパスウェイ」です。

既存のハイラックスはガソリン・ディーゼルとなるが…将来的にはディーゼルHEV・BEV・FCEVも検討しているという
既存のハイラックスはガソリン・ディーゼルとなるが…将来的にはディーゼルHEV・BEV・FCEVも検討しているという

 ハイラックスは一つのプラットフォームを用いて多様なニーズに合わせて生産を行なうIMVシリーズの中核を成すモデルで、新興国のみならず日本/欧州などでも販売される世界戦略車。

 現在のパワートレインはガソリン/ディーゼルが主ですが、将来に向けて電動化は避けて通れない道。そこでフレームボディの汎用性を活かし、様々なパワートレインの提案と言うわけです。

 マルチなプラットフォームにマルチなパワートレインを搭載。実は現在のトヨタの中で最も最先端と言っていいでしょう。

 まずは電気自動車(BEV)の「ハイラックスRev e」です。

 昨年タイトヨタ創立60周年記念式典で発表された電気自動車(BEV)の量産に近いモデルです。

 シングルキャブをベースに、エクステリアは白/イエローのボディカラーに加えて、小さめの開口部を持ったグリルレス風のRevo e専用デザインのフロントマスクを採用。

 インテリアはフル液晶メーターやシフトダイヤル(bZ4Xと同デザイン)と電子式パーキングブレーキに変更、少しだけ先進性がプラスされています。

 パワートレインは駆動用モーター(150kW/260Nm)をリアアクスル付近に搭載(フロントは補器類のみ)。それに伴いリアサスは車軸式からド・ディオン式に変更。

 バッテリーはフレームの間に「カセット式」と呼ばれるブラケットを介して搭載。バッテリー容量は未公表ですが航続距離は300kmだとか。

 続いて、燃料電池車(FCEV)の「ハイラックスFCEVコンセプト」。元々英国トヨタが開発を進めていたそうですが、途中からトヨタも関わって鋭意開発中のモデルです。

 ダブルキャブをベースにしたエクステリアは白/ブルーのボディカラーに加えて、ハイラックスのヘキサゴングリルの下部のみ開口部を設けたFCEV専用デザインのフロントマスクを採用。インテリアは電子シフト(MIRAI同デザイン)と電子式パーキングブレーキに変更されています。

 パワートレインは駆動用モーターをリアアクスル付近に搭載、それに伴いリアサスは車軸式からド・ディオン式に変更まではBEVと同じですが、バッテリー搭載位置に水素タンク、フロントにはFCスタックが搭載されています。

 タンク容量は未公表ですが、航続距離は600km。BEVに対して航続距離の長さはもちろん、1500kgのトーイングが可能な点も強みとなっています。

 この2台に乗ると同じモーターを動力源にしながらも似ているようで似ていないから面白い。

 アクセルを踏むとモーター駆動の強みである「アクセル操作に対する応答性の良さ」、「加速力の強さ」は共通ですが、アクセルを踏んだ瞬間からパワーが湧き出るけど頭打ちになるBEVに対して、発進時は若干穏やかだけど伸びのあるパワー感を持つFCEVと、特性が若干異なります。

 どちらも基本的にはビジネスユースで使うことを想定していますが、BEVはショートレンジ、FCEVはロングレンジと考えると、この特性は偶然なのか必然なのか分かりませんが、用途とマッチしているような気がしました。

ハイラックス群としてパワートレインやボディの違いで「マルチパーパス」を提案
ハイラックス群としてパワートレインやボディの違いで「マルチパーパス」を提案

 フットワークの印象はどうでしょうか。

 シングルキャブ/ダブルキャブの違いはありますが、基本的には共通です。恐らく低重心化や前後バランスの適正化、更にはド・ディオンアクスル式のリアサス採用に加えて電動パワーステアリング(EPS)への変更などが、走りに良い影響を与えています。

 ハンドリングは良く言えばワイルド、悪く言えば荒々しさがあるハイラックスとは別格の仕上がりです。

 もう少し具体的に言うと、ステア系は直進時の座りの良さや操舵した際の応答性/正確性、スッキリとした操舵感は乗用車と比べてもそん色ないレベル。

 取り回しの良さはもちろん、一体感/コントロール性が大きく引き上げられており、乗りやすさは格段にアップしています。更に前後バランスの適正化も相まって、旋回時もステアリングで強引に曲げるのではなく、4輪を上手に使って旋回してくれるので、とにかく自然で扱いやすいハンドリングに仕上がっています。

 具体的な違いとして、BEVは床下のバッテリー搭載による低重心化が効いているのか、ドッシリした安定感とシットリとした足の動きを実感。

 一方、FCEVはBEVよりも身軽でキビキビと動く感覚とスッキリとした足の動きを実感。乗り心地はどちらも空荷にも関わらずハネやバタつきはかなり抑えられ、ピックアップトラックと言うよりSUVに近いレベルです。

 個人的にはド・ディオンサスは通常のモデル(ガソリン/ディーゼル)にも設定があってもいいかなと感じました。

 静粛性や振動の少なさはどちらもピックアップトラックを忘れるレベルですが、基本的には無音に近いBEVに対して、FCEVはアクセル操作によってMIRAIに似た音(吸気音!?)が聞こえてきます。

 ただ、どちらも「エンジン搭載をしていないから静か」でなく、振動の多いディーゼル車で色々な対策を行なってきたハイラックスの基本素性が、電動化によって証明された部分もあるのかなと。

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