スズキ新型「5ドアジムニー」続々発売! 日本では「3ドア人気変わらず」 なぜ人はジムニーに惹かれるのか
男性層はどんな部分に惹かれるのか?
一方、男性ユーザーはジムニーのオフロード4WDとしてのタフなイメージに惹かれているだけでなく、趣味としての“拡張性”に注目します。
おそらく、ジムニーほどアフターマーケットの専用商品が多い車種も珍しいのではないでしょうか。
特に現行となる4代目ではそれが顕著になり、従来のジムニー専門メーカーのみならず、他の市場からも多くの企業が参入しています。
こうしたアイテムやパーツを使って、自分だけのジムニーが作れるのは、ホビー好きのきらいがある男性には魅力的に映ることでしょう。
例えば、ジムニー業界で老舗のショップ「アピオ」は、バイク用マフラーメーカーの「ヨシムラ」とコラボしたジムニー用マフラーをリリースしています。
バイクでヨシムラファンだった層が、クルマでもサイクロンマフラーを付けたいがために同社のコンプリートカーを購入したという人が多くいるといいます。
これはあくまでも一例で、ジムニーというクルマはかつての「ミニ」以上にカスタムの幅が広く、しかも様々なコーディネイトができるという特徴を持っています。
アウトドアライフを楽しみたいからという理由で購入したユーザーが、いつの間にかカスタム沼にハマってしまったという話は、ジムニー業界ではよく聞く話です。
納車後の物欲を適度に刺激するのも、ホビーとしてのクルマに求められる大切な要素と言えます。
さらに価格も絶妙で、現在の軽自動車の中では「高い!」と絶句するほどのではありません。
それでいてトールワゴンとは一線を画し、軽自動車のイメージが希薄なジムニーは、プライドという男心の点でも十分に満足感を与えてくれます。
いざとなれば、道なき道も走ることができるパートタイム4WDの潜在能力も、それに拍車をかけています。
荷室の狭さや装備の不十分さなど、ユーザーの不満になっている部分もあるようですが、トータル的には“買って良かった”という声が圧倒的に多いのがジムニーです。

これほど多くの人が所有しており、道を走れば1日に何台もジムニーとすれ違うことも、他人と分かり合いたい日本人の気質に合っているのかもしれません。
ちなみに、ジムニー、ジムニーシエラともATは全グレードで2年待ちの状態となっており、欲しくても簡単に所有できないというのもまた、ジムニーファンの心を掴む要因のひとつなのかもしれません。
5ドアモデルの国内販売も見通しがつかない状況ですが、MT車なら半年ほどで納車されるケースもあるようです。多くの日本人の心を捉えた空前の大ヒットモデルのジムニー、一度は乗ってみる価値のあるクルマです。
Writer: 山崎友貴
自動車雑誌編集長を経て、フリーの編集者に転向。登山やクライミングなどアウトドアが専らの趣味で、アウトドア雑誌「フィールダー(笠倉出版社刊)」にて現在も連載中。昨今は車中泊にもハマっており、SUVとアウトドアの楽しさを広く伝えている。






















































































