全車250万円以下! ホンダの新型「コンパクトSUV」安くてカッコ良くて走りもイイ! 新型「WR-V」速攻試乗!

純ガソリンの素朴さがなかなか良い!

 今回は正式発売に先駆けて、テストコース内で一般道や高速道路、ワインディングを模した道と様々なシーンで試乗してみました。

 新型WR-Vのパワートレインは、最高出力118馬力、最大トルクを発揮する1.5リッターNA(自然吸気)ガソリン+CVTの組み合わせのみとなっています。

 ホンダは電動化を目指しているのに、「なぜガソリン車のみ?」という疑問もあるでしょうが、「250万円以下のスモールコンパクトは7割以上がガソリン車」というリサーチによる判断とのこと。

ホンダ新型「WR-V」
ホンダ新型「WR-V」

 実際に乗ると、「ほー、いいじゃないか」という仕上がりでした。

 アクセルを踏むとそれなりに賑やかですが、ホンダのエンジンらしく軽快に回る上にスペック以上の力強さを実感。加えてCVTは、加速時はステップアップシフト制御、減速時はステップダウンシフト制御により小気味良さもあります。

 電動車に慣れている現在、混じりっけなしのピュアなパワートレインの素朴な感じも悪くないなと思いました。

 シャシ周りはヴェゼルのようなセンタータンクレイアウトではなく、フロント周りは海外で販売されるセダンの「シティ」、リア周りはこちらも海外モデルのクロスオーバーSUV「BR-V」のハイブリッドプラットフォームを採用。

 サスペンションはフロントがストラット、リアがトーションビームですが、EPS(電動パワーステアリング)制御を含めたセットアップは新型WR-V専用となっています。

 また、駆動方式はFFのみで4WDの設定はありません。この辺りは見た目とのギャップが気になりますが、日本でのクロスオーバーSUVの使われ方はオンロードが主のため、それほどネガティブなものにはならないはずです。

 その割には最低地上高195mmと高めの設定となっていて、これは悪路走破性よりも乗降性や未舗装路、段差を気にせずに走れるといったメリットがあると考えたほうが良いでしょう。

 要するに「陸(おか)サーファー」的な存在なのですが、筆者は実際の用途を考えると、それもアリなのではないかと思います。

 そんなフットワークの印象は、パワートレインと同じく「ほー、いいじゃないか」でした。

 決して機敏ではないものの操作に対する反応の素直さ、薄皮を1~2枚外したかのようなスッキリ爽快なフィーリングと自然なフィードバック、剛性の高さよりも剛性の連続性を実感するボディ、シットリ感はないものの良くストロークしている足の動きを活かした接地性の高さなどを感じましたが、それらを力技ではなく自然かつ素直に実現しています。

 例えるならどこか懐かく、ピュアで演出されていない直球勝負の走りなのです。

「この感覚、どこかで体感した事あるな?」と思い返してみると、スポーティですが日常での心地よさを重視した等身大の味付けだった2代目「フィットRS」に近いかなと感じました。

 もちろん、コンパクトとはいえないボディサイズやハイブリッドの設定がないこと、今時電動パーキングブレーキやエレクトロシフトが付かない、ACCは停止保持機能が付かない、ワイルドなキャラなのにFFのみの設定など、突っ込み所が無いわけではありませんが、総合的に見ると「おっ、値段以上」な仕上がりです。

 シニアにはどこか“懐かしさ”、ヤングには“等身大”のクロスオーバーSUVに仕上がっていて、そういう意味で新型WR-Vは令和時代における「最高にちょうどいいホンダ」なのかもしれません。

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Writer: 山本シンヤ

自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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