「ここから渋滞◯◯km」がめちゃ“リアルタイム”! まさか「見張りの人」がいる!? 高速道路の「渋滞情報」どう調べているのか
渋滞測定方法は今も次々と開発されていた
またNEXCO中日本では、トラフィックカウンター以外の渋滞測定方法について、次のように説明します。
「トラフィックカウンターに加え、特に、車両の停滞や発進・停止が頻発する箇所では、正確な速度の計測が難しく所要時間の精度が低下する場合に対して、『ETC2.0プローブデータ』を活用しています」
ETC2.0プローブデータとは、ETC2.0車載器を搭載した車両の位置や速度などの走行データを、200m間隔で自動的に蓄積するものです。
高速道路では路側にアンテナを設置して、そのプローブデータを取得しています。
ちなみに、2020年のお盆の交通混雑期に、東名高速道路の東京ICから厚木ICの区間で所要時間の精度を検証した結果、車両感知器との比較でより高い精度の所要時間を算出し、特に渋滞時のきめ細かな速度変化の情報が反映できたといいます。
さらにNEXCO中日本では、2022年から「光ファイバセンシング装置」の納入も始まっています。
これは、光ファイバーで走行車両に起因する振動情報をセンシングし、このデータを分析AIエンジンにより、時間方向かつ距離方向に連続的な走行の軌跡に変換し、1キロ毎/1分毎の平均速度と所要時間を推定します。
このほか、阪神高速道路は渋滞状況の測定方法に対して、次のように説明します。
「超音波式の車両検知器から発生させる超音波の反射波で、通過車両の台数と車高、時間オキュバンシー(占有率)を計測しています」
このデータをもとに、前述の判定方法により区間毎に渋滞を判定し、仮定した平均車長と時間占有率より区間毎に速度を計算し、所要時間を算定しているといいます。
この算定の場合、1か所に1個のみの検知器設置で計測することできる利点があります。
加えて阪神高速道路では、テレビカメラや突発事象検出カメラ、「車両番号読取装置(AVI)」で渋滞状況を把握しています。AVIでは本線の上流側と下流側にCCDカメラを設置し、走行中の車両番号を読み取って照合し、カメラ設置区間の平均所要時間を算出します。
このデータは、乗継区間の所要時間の算出に用いています。
このように各々の道路に合わせた様々な道路監視の仕組みが次々と開発されたことで、より正確な渋滞状況が把握できる進化してきているというわけです。
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最近ではスマートフォンの普及とともに、地図アプリを利用している人も増えています。
例えばGoogle社の「グーグルマップ」の場合、目的地検索をするとリアルタイムの渋滞情報を加味した到達時間が表示されます。
これは、グーグルマップ利用者の走行状況を自動的にアップロードすることで、渋滞状況をリアルタイムに把握しています。
電光掲示板では渋滞距離や通過時間は表示されるものの、渋滞回避ルートなどの情報は得ることができません。
電光掲示板の情報に加え、スマホアプリの渋滞情報などを合わせて活用すると、よりスムーズに高速道路を利用できるようになるでしょう。
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