トヨタの高級SUV「ハリアー」は存在感のあるエクステリアや上質な内装などが人気を博しているモデルです。
　
　そんなハリアーにも、300万円級の最安グレードが存在します。どのような内容なのでしょうか。

　2020年に発売した現行ハリアーは4代目モデルです。

　歴代で培ってきた都会的なスタイルは踏襲しつつ、シンプルさとエレガントさを融合させたクーペスタイルに刷新されました。

　また、TNGA GA-Kプラットフォームの採用により、ボディの高剛性・低重心化を図り、走行性能も向上しています。

　パワートレインは2リッターガソリンエンジンと2.5リッターハイブリッドに加え、2.5リッターPHEV（プラグインハイブリッド）を設定。駆動方式はFFと4WD（E-Four）を用意するなど、幅広い選択肢を用意します。

　ラインナップはガソリンとハイブリッドがそれぞれ3タイプ、PHEVが1タイプで、価格（消費税込）は312万8000円から620万円に設定されています。

　このうち、一番安いエントリーグレードがガソリンの「S」グレード／2WDで、最上級のZ PHEVとは約2倍もの価格差があり、さまざまな部分で差別化が図られています。

　エクステリアは、唯一3灯式LEDヘッドランプを装備し、2重のL字に発光するLEDデイタイムランニングライトは非採用となっています。

　ホイールは上級モデルが18インチまたは19インチを履くのに対して、小ぶりな17インチの5本スポーク（グレーメタリック塗装）というシンプルなものを装着。ただし廉価グレードでしばしば見られるようなホイールキャップと鉄製ホイールの組み合わせではなく、アルミホイールを採用しています。

　フロント・リアバンパーはメッキ加飾が省かれ、ドアハンドルもメッキではなくボディ同色となるなど、シンプルな装いです。マフラーカッターの形状もスポーティな楕円ではなく、真円のものが装備されます。

　インテリアでは、上級グレードに装備されるサテンメッキ加飾は省略され、代わりにシルバー加飾があしらわれています。

　また、トレイやセンターコンソール、ドアスイッチなどのパネルには加飾無しのブラックパネルを装着し、ドアスカッフプレートも車名ロゴ入りステンレスオーナメントのないシンプルなものを装備しています。

　シートは標準的なファブリックで電動機能はなく、ドアトリムやコンソールのアンビエントライトなども省かれています。

　機能装備ではデジタルインナーミラーや遮音ガラス、オートワイパー、電動ステアリング調整、パワーバックドアといったものが装備されていません。

　こうしてみると細部の仕上げが異なるほか、多くの装備が省かれているようにも見えますが、表面的なところにとどまっており、安全装備は歩行者（昼夜）や自転車運転者（昼間）を検知対象に加えた衝突被害軽減ブレーキなどのパッケージ「トヨタ セーフティ センス」は全車装備しています。

　さらに、ETC2.0やApple CarPlay・Android Auto対応の8インチのディスプレイオーディオも装備されるなど、必要最低限のものは備わっているといえます。

　また、ハリアーの購入後にエアロパーツなどでカスタムするなど自分流のクルマに仕上げたいのであれば、最安モデルを購入して価格を抑え、その分カスタムの予算に回すという楽しみ方もあるかもしれません。