クラウンシリーズの新型「スポーツSUV」登場! エモーショナルなデザインで走りはどう? 「クラウンスポーツ」を試乗!
クラウンシリーズのスポーツSUV、走りはどんな感じ?
パワートレインは2.5L+THSIIのハイブリッド(HEV)×E-Fourと2.5L+THSIIのPHEV×E-Fourの2種類を用意。ただ、PHEVは遅れて追加予定で今回はHEVのみの試乗です。
トヨタ「RAV4/ハリアー」と同じハイブリッドシステムと思いきや、バイポーラ型ニッケル水素バッテリーの採用によりシステム出力234psとなっています。
日常域ではより積極的なEV走行と力強いハイブリッド走行を実感するも、アクセル開度が増すシーンでは濁音の多いエンジンノイズが気になってしまいます。
恐らく、絶対的な音量はそれほど大きくないですが、音質が悪いためより耳に残ってしまうのです。
また、かなり抑えられていますがラバーバンドフィールもスポーツには不釣り合いです。
個人的にはクロスオーバーRSに採用される「デュアルブーストハイブリッド」をスポーツにも水平展開すべきでしょう。
フットワークはクロスオーバーの「気負いなく高性能を味わえる」味付けに対して、「より俊敏」、「より爽快」、「よりレスポンシブ」、そして「より曲る」性格になっており、スポーツの名に恥じない性能になっています。
実際に街中を走っていてもボディサイズ(全長4720mm×全幅1880mm×全高1565mm)よりも「小さく」、車両重量(1810kg)よりも「軽く」感じるのです。つまり、分類上はSUVですがスポーツセダンに近い走りと言えるでしょう。
この辺りはクロスオーバーとの基本素性の違い(ホイールベースは短く、トレッドは広い)、専用サスペンションに加えてDRS(4輪操舵)のチューニング、そして1サイズ大きいタイヤ(235/45R21)、そして最近トヨタでトレンドとなりつつある除電スタビライジングシートなどの相乗効果によるものです。
乗り心地は開発陣曰く「硬くないスポーツ」と語っていますが、もちろんクロスオーバーよりは引き締められています。
具体的には路面からの入力が少しだけダイレクトかつショックを少しだけ早めの吸収する印象。細かい凹凸の路面だとバネ上が僅かにヒョコヒョコ動くのが気になるものの、それ以外はスポーツのキャラクターを考えれば快適性は高いレベル。
これより上を目指すとなれば、HEVはメカニカルダンパーのみの設定していますが、AVSなどの武器が必要でしょう。
Writer: 山本シンヤ
自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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