普通免許、「マニュアル」はもう不要なのか?
AT限定が約4割の地域も
その一方で、先述の「都道府県別指定自動車教習所の合格者数」によると、青森と岩手、秋田、鳥取の4県では、2016年度のMTの合格者数がAT限定を上回っています。4県の中でAT限定の割合が約39パーセントと最も少ない青森県の指定自動車教習所協会(青森市)にその背景を聞きました。
――青森県でMT免許を取る人が多いのはなぜでしょうか?
トラックなどの、運送業や土木建設業などで使うクルマにMT車が多いからです。
――そのほかに、地域的な事情はありますでしょうか?
青森では大半の免許取得者は就職を控えた地元高校生ということもあり、福島や宮城、山形と異なり都市部の大学生が免許合宿に多く来ないため、そういった差があります。秋田と岩手も、青森と同じことがいえるのではないでしょうか。
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先述の平和橋自動車教習所においても、学校卒業後にトラック運転などを視野に入れた高校生がMT免許を取得することもあるといいます。
トラックを想定した需要は「準中型」へ
しかし、2017年3月12日の「準中型免許」の新設にともない、車両総重量5トン未満の「2トントラック」は普通免許から準中型免許の区分に割り振られたため、上述のようなトラック運転などの需要も減少する可能性があります。
新設後の現状について、平和橋自動車教習所では「準中型免許は18歳から取得できるため、高校生などの関心がMT免許から準中型免許に移っている」と話します。2017年5月現在、同教習所におけるMT免許と準中型免許の生徒の割合は6対4とのことです。
このような背景からも今後、MT免許の取得数はますます減少し、AT限定免許の割合が増していくと考えられます。
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提供:乗りものニュース