まさか!? 車のローン支払い中に「盗難された」? 盗まれたらローン残債は「どうなる」のか
万が一クルマの盗難被害にあった時、まだ自動車ローンが残っていた場合はどうなるのでしょう。必要な手続きについて紹介します。
大切なクルマが盗難されて、ローンだけが残ってしまうリスクも
クルマの盗難件数は減少傾向にあるものの、現在でも一定の件数が発生しており、特に盗難の発生しやすい地域や車種の場合には対策が必要です。
さらに、ローンの支払い途中にあるクルマが盗難されてしまったら、残ったローンの支払いはどうなってしまうのでしょうか。
クルマの盗難は、ピーク時からは減少しているものの、2022年の自動車盗難の認知件数は5734件と一定の被害が発生しています。
一方の検挙率は約半数となる45.6%で、盗難されたクルマは不正に解体されて海外に輸出されたり、他の車両と合体させて販売されたりするなど、盗まれたクルマが発見されないことも珍しくありません。
もし自分のクルマが盗難されていると気づいたら、まずは警察に盗難届を提出することが大切です。
これは、盗難されたクルマで事故を起こされたり、犯罪に使われたりなどトラブルが発生した時に、所有者に責任が生じる可能性があるためです。
また、クルマがすぐに見つからない場合には「一時抹消登録」をしておくといいでしょう。
翌年度以降の自動車税の支払いが不要になるほか、タイミングによっては既に支払っている税金が一部返還されることもあります。
ただし、クルマにローンが残っている場合で、特にディーラーローンを利用した人は注意が必要です。
銀行などの金融機関でローンを組んだ場合、基本的に車検証上の所有者は自分の名義になるため、クルマの廃車手続きをした上でローンだけを支払い続けていくことが可能です。
しかし、ローンに「所有権留保」の特約が付帯されている場合、車検証に記載された所有者がディーラーやローン会社の名義になっているため、通常はローンを完済しなければ一時抹消登録や廃車の手続きができません。
そのため、盗難後にクルマが発見されない場合、残ったローンを支払いながら、手元にないクルマの税金を支払い続けなければならない可能性があります。
こういった事態を避けるために利用できるのが、自動車保険の任意保険に付帯できる「車両保険」です。
車両保険は、事故などによって自分のクルマが損害を受けた時に使える保険という印象を持っている人もいるかもしれませんが、実は盗難にあった場合にも一定の要件を満たせば保険金を受け取ることができます。
車両保険を使うためには、まず警察へ盗難届を提出し、受理された時に発行される「受理番号」を控えておきましょう。
その情報をもとに、加入している自動車保険の保険会社に保険金を請求すると、保険会社による調査が行われ、盗難したことが確認されれば保険金が支払われます。
ローンが残っている場合でも、保険金を利用して一括返済を行うことで、一時抹消登録や廃車の手続きが可能となるほか、ローンがクリアになれば新たなクルマを購入するためのローンを組むことも容易になります。
なお、車両保険には「一般補償型」と「限定補償型」や「エコノミー型」があり、盗難はどちらのタイプでも補償対象ですが、念のため自分の加入している内容をチェックしておくと良いでしょう。
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ローンが残っているクルマが盗難されると、クルマが発見されずローンの支払いだけが残ってしまうリスクがあります。
盗難されないような対策に加えて、万一盗難された場合に返済資金が不足する可能性がある場合は、保険料が割高に感じるかもしれませんが、ローンの返済期間中だけでも車両保険に加入しておくと安心です。
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