教習車はセダンばかり? 一般市場と異なる傾向 形に決まりはあるのか?
試験車両にセダン、採用のカギは「ボンネット」?
では、運転免許試験場における普通免許の試験車両は、なぜセダンなのでしょうか。埼玉県警運転免許課に話を聞きました。
――試験車両がセダンなのはなぜでしょうか?
セダンでなければならない決まりは特にはありませんが、ボンネットのあるクルマが望ましいです。車両の前方感覚、つまりボンネットの先端の感覚を養うことができ、それがひいては事故防止につながると思います。ですから、ボンネットのないワゴン車などは、試験車両として運転感覚をチェックするには不向きです。
――セダン以外の車種が試験車両になる可能性もあるのでしょうか?
ええ。仮に、試験車両購入時の入札においてメーカーからセダン以外の車両で提案があり、その車両が車体感覚などをつかみやすいと認められれば、導入される可能性はあります。
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他方、セダン以外の車種を普通免許の教習車としている教習所も存在します。そのひとつ、東京都目黒区の日の丸自動車学校では、車室とトランクが隔てられていないハッチバックタイプの、スバル「インプレッサ スポーツ」を採用しています。理由を同校に聞きました。
――ハッチバックの教習車はいつごろから導入しているのでしょうか?
およそ2年半前からです。導入のおもな理由は、教習所としての個性を出すためですが、若い人はセダンよりもハッチバックのクルマに乗ることが多いだろう、という思いもあります。
――運転免許試験場の試験車両もセダンですが、合わせなくていいのでしょうか?
当校のような指定自動車教習所では卒業検定も教習所内で行いますので、試験場で技能試験を受ける必要はありません。ですから試験場の車両と合わせる必要はないと考えています。
――ハッチバックとセダンとでは、教習するうえで何かちがいが生じていますか?
運転感覚などは特に変わりません。ちがいがあるとすればクルマのフォルムですが、それを意識する人はさほど多くないと思います。
――今後はもっと車種を増やす予定ですか?
その予定は特にありません。
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教習車はもちろん、運転免許試験場の試験車両もセダンである必要性はなく、セダン以外の車種を導入する教習所も存在します。今後、教習車のバリエーションはより広がっていくかもしれません。
【了】
提供:乗りものニュース