クルマの「ボディカラー」なぜ“2色使い”が定番化? ルーフと車体の色を塗り分けた「2トーンカラー」が流行る訳

クルマのボディカラーとして、ルーフとボディの色を塗り分けた「2トーンカラー」がトレンドとなっています。多くのモデルに2トーンカラーが用意されているのはなぜなのでしょうか。

「2トーンカラー」が定番になったわけ

 クルマの「2トーンカラー」といえば、かつてはサイドの塗り分けが主流で、昭和末期から平成初頭に人気を集めたハイソカーブームの全盛期には、ゴージャス感を高めるシルバーやゴールド系の2トーンカラーが流行しました。
 
 しかし、現在の2トーンカラーはルーフ部分との塗り分けがほとんどとなっており、多くのモデルで2トーンカラーが設定されています。
 
 ルーフとボディカラーが異なる2トーンカラーはなぜ流行っているのでしょうか。

斬新な塗り分けを採用したダイハツ「ムーヴキャンバス」
斬新な塗り分けを採用したダイハツ「ムーヴキャンバス」

 ルーフを中心とした塗り分けの2トーンカラーが流行り始めたのは、ここ10年くらいのこと。日本市場では軽自動車などのエントリーモデルの車種を中心にトレンドがスタートしていき、近年は背の高いSUVにも多くの採用例が見られ、国産車はもちろん、輸入車の高級モデルにも2トーンカラーが使われることもあります。

 そんなトレンドの先駆けといえるのは、2002年に登場したスズキ初代「ラパン」あたりでしょう。当時はまだ現在のようにピラーまで塗り分けるスタイルではなく、ルーフ部分のみの塗り分けとなっていました。

 また、ラパンのルーフは現在流行りのブラックではなく、ホワイトだったのも特徴的で、レトロな雰囲気を演出していました。

 しかし、軽自動車で2トーンカラーがブームとなるのはその10年後くらいで、ルーフをブラックとする2トーンカラーも増えていきます。

 この頃になると、ボディカラーも定番の白・黒・シルバーだけでなく、パステル基調のものや、ピンクや水色といったこれまでになかった鮮やかなカラーなどその種類が増え、クルマのボディを彩る色にも新たなトレンドを感じるようになります。

 また、「ボディカラーは景気に左右される」という説もありますが、2010年代に入り少し落ち着き始めたこのころはリーマンショックや東日本大震災から立ち直りつつあった時期。

 震災復興という考えから世間全体が明るくなろうと頑張っていた印象もあり、そのような風潮もボディカラーに現れていたのかもしれません。

 さらに近年は、ユーザーがクルマを購入するときの決め手として、ボディカラーが近年上位に入ってきているといい、多種多様なボディカラーと同じく、2トーンカラーはユーザーが個性を表現する方法のひとつとなったというわけです。

 2トーンカラーは軽自動車から普通車に普及していき、現在では多くの車種でラインアップされることになりました。

 ボディカラーが車種選択の大きな理由を占めるようになったことやボディカラーで個性を演出することが定着したことにより、2トーンカラーの人気も高まったと言えそうです。

※ ※ ※

 2022年に登場したクラウンクロスオーバーの「バイトーン」のようにルーフだけではなく、ボンネットやリアゲート部といった新たな塗り分けスタイルを提案した2トーンカラーも増えてきました。

 デザインのトレンドとともに、2トーンカラーのトレンドも移り変わっていくのではないでしょうか。

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