日産「4人乗り超高級セダン」がスゴい! めちゃ豪華リアシート&V8搭載の斬新“最上級”セダン「NEO-X」はまさにバブルの産物だった
かつての東京モーターショーで、日産は最上級大型セダン「NEO-X」を出展していました。市販化はされませんでしたが、どのようなモデルだったのでしょうか。
ハイテク装備満載の最上級セダンがスゴかった
国内最大の自動車展示会「東京モーターショー」が新たに「ジャパンモビリティショー」として生まれ変わり、2023年10月28日に開催されます。
さまざまなニューモデルや新時代を予感させるコンセプトカーが発表されてきた東京モーターショーでしたが、市販化されずに「幻」に終わったモデルも数多くあります。その1台が第28回で日産が公開した「NEO-X(ネオ・エックス)」でした。
平成最初の年、1989年10月26日から11月6日まで幕張メッセ(千葉市美浜区)で第28回東京モーターショーが開催されました。
第28回東京モーターショーでは、はじめて開催地を東京・晴海から千葉市美浜区の幕張メッセへと変更。来場者数、報道関係者数も過去最高の数字を記録したうえ、バブル景気の真っ只中であったため、高級モデルへの注目が集まりました。
日産では、5台のコンセプトカーを含む計24台の参考出品車および17台の市販車を展示。そのなかの1台が大型4ドアセダン、NEO-Xでした。
NEO-Xのコンセプトは「人に優しい知的高性能セダン」。当時日産は「単なる機能主義を超えた日本人の美意識と優しさを表現したデザインや、人の判断領域にまで踏み込んで人をサポートする統合制御システムなどにより、人とクルマの新しい関係を追求した」と説明します。
エクステリアは、全長を伸ばし低く抑えた全高により伸びやかさを感じさせ、曲線を多用したデザインで、近未来感を主張しつつも柔らかい印象を受けます。
フロントフェイスはスリット形状の長いフロントグリルに薄いヘッドライトで、シンプルながらフォーマルな印象を与えます。
ボディサイドには凹凸がなく、ドアハンドルは電動格納式を採用。Bピラーはなく、クーペのような流麗さを感じさせます。
一方で、リアは比較的エッジが立っており、真一文字のテールランプや縦型のウインカーレンズを組み合わせた独特のものを採用。
インテリアはベージュの革がふんだんに用いられ、インパネやコンソールもフルレザー仕様。当時画期的だったシフトバイワイヤー方式を採用し、コンソールにシフトノブの姿はなく、ステアリング左側に設けられたレバーで操作します。
後席は左右が独立した2座で、左右席を区切る大型コンソールにはスイッチ類を集約。ルーフは全面液晶ガラスとなっており、スイッチ操作で遮光・採光を切り替えることが可能。
パワートレインには、当時主に北米で展開している高級車ブランド「インフィニティ」の最高級モデル「Q45」(日本ではモーターショー前日に「インフィニティQ45」の名で発表)と同じ4.5リッターV型8気筒「VH45DE」型エンジンを搭載し、電子制御トルクスプリット4WDとシフトバイワイヤー方式の電子制御5速ATを組み合わせています。
また、油圧式アクティブサスペンションや前後輪のアクティブステアリング(四輪操舵)などのハイテク技術との相乗効果を図る「総合制御システム」を採用し、運転のしやすさや快適性などの性能を車両トータルで向上。ショーファーカー路線ではなくドライバーズカーとして動力性能の高さも特徴でした。
このほか、先進運転支援システムとして側方警戒レーダーや電動パーキングブレーキ、ヘッドアップディスプレイ機能に加え、インパネ中央のタッチディスプレイではナビゲーションだけでなく空気圧センサーなど、車両状態や車両設定ができ、現代のクルマにも通ずるハイテク装備が多く採用されている点もNEO-Xの特徴です。
完成度は極めて高く、未来の高級車像を示すものでしたが、日産ではすでにインフィニティQ45や「シーマ」、「プレジデント」などがすでにラインナップされており、市販化は叶いませんでした。
その一方で、数多くのハイテク装備は現代においても同じ発想のもと、ブラッシュアップされ続けています。
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なお、次回のジャパンモビリティショーでは、日産は「さあ、未来にもっとワクワクを。」をテーマに、最新のEV(電気自動車)コンセプトカーや先進技術をインタラクティブなブースで展示。
移動と社会の可能性を広げる電動化技術やさまざまな取組みをリアルとバーチャルが融合した世界で体感できるようにし、日産が目指すワクワクする未来の姿を示すといいます。
ジャパンモビリティショーでも、どのようなモデルが登場するのか期待が高まります。
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