長距離ドライバーのオアシス「トラックステーション」とは? 全国に30か所以上
トラックドライバーの「福祉施設」としての側面も
全国でトラックステーションを運営している貨物自動車運送事業振興センター(東京都新宿区)に聞きました。
――そもそもトラックステーションはなぜ設けられたのですか?
長距離ドライバーが休憩をとるための施設として、昭和50年代から整備されていきました。当時は大型車を停められるようなスペースを備えた休憩可能な施設が少なく、高速道路のSAもいまほど多くはなかったためです。ドライバーの疲れをいやす浴場や、バランスのとれた食事を提供する食堂が併設されているところもあり、福祉施設としての側面もあります。
現在全国に30あるトラックステーションは、当センターが所有し、各県のトラック協会などに運営を委託しています(編注:このほか、各県のトラック協会が独自に整備しているトラックステーションもある)。
――トラックステーションの定義とは何でしょうか?
休憩施設や宿泊施設のないトラックステーションも存在するため、大型車の駐車スペースがあること以外は特に定義はありません。仮眠スペースがついたトラック車両もあるので、クルマを離れずに仮眠しているドライバーも多いです。
――なぜ一般の人も使えたり、民間の店舗が入居していたりするのでしょうか。
あくまで緑ナンバー(事業用)のトラックが優先の施設です。一般への開放は本来の目的ではありませんが、空きがあれば、利用を妨げるものではありません。また、福祉施設としての質を高めるべく、食堂などの運営をプロの業者に委託している場合もあります。
――施設は今後どう活用していきますか?
建物はどうしても老朽化していくので、よくメンテナンスし、長持ちさせるような工夫が必要だと考えています。トラックドライバーは、4時間連続して運転すれば30分の休憩が必要です。近年は高速道路のSAや「道の駅」などが増え、休憩場所の選択肢は広がっていますが、その機会を増やすうえでも、いまある施設を維持していくことが大切です。
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トラックステーションの規模は場所によってまちまちですが、駐車場がトラックでいっぱいになるような人気のステーションもあるそうです。トラックドライバーのオアシスといえる存在でしょう。
【了】
提供:乗りものニュース