秋の雷シーズン到来も「車の中は安全」って本当?「落雷・豪雨」発生時にやってはいけないNG行動とは?

9月から10月にかけては、台風や雷がもっとも多い時期と言われています。雷が落ちてもクルマの中は比較的安全とはいわれていますが、一体なぜなのでしょうか。

秋になっても油断できない「落雷・豪雨」発生時に注意すべきことは?

 厳しかった猛暑はある程度収まったものの、台風や雷はこれからがシーズン。9月から10月にかけては、年間で台風や雷がもっとも多い時期といわれています。
 
 なかでも栃木県は、全国的に見ても雷の発生率が高いとされており、クルマの利用が多い地域でもあることから、運転中に雷や豪雨に遭遇しやすいそうです。

雷発生時は豪雨にも注意が必要
雷発生時は豪雨にも注意が必要

 実は、クルマを運転中に雷の直撃に遭っても、車内は比較的安全と言われています。鉄の塊であるクルマの中が安全だというのは意外な気がしますが、一体なぜなのでしょうか。

 その理由を栃木県で整備工場を経営するT整備士に話を聞いてみました。

「雷は大量の電気ですが、たとえクルマを直撃してもボディの外周を伝ってタイヤから地面へと流れてしまうため、車内に電流が流れることはほとんどないといわれています。

 ただし、車内にあるドアノブなどの金属部品を触っていると感電の恐れもあるので、いつもより速度を落として周囲のクルマに気をつけながらなるべく早めに鉄筋コンクリート製の建物の駐車場などに避難する方が賢明でしょう」

 ちなみに、栃木県地方気象台によると、徒歩などで外出しているときに雷に遭遇した場合、鉄筋コンクリートなどの安全な建物に避難するのが最善策とアナウンスしています。

 避難できる建物が近くにない場合は、大きな立木の根本から5m~10m程度かつ枝から2m以上離れて低い姿勢を取り、窪みなどがあればそこで身を伏せるという対策を紹介しています。

 落雷の対策に加えて、雷の発生時はもうひとつ危険なことがあるとT整備士はいいます。

「たいてい雷が来るときは激しい雨になるケースがほとんどで、むしろ雷より『豪雨』の方が危険です。

 暴風雨のなかではワイパーを動かしても視界の確保が難しく、いつも以上に慎重な運転が求められます。

 仮に雷がクルマを直撃したとしても地面に流れますし、その影響で電気系にトラブルが生じたとしても後で修理や交換できますが、視界不良で事故でも起こしたらその被害は何倍にもなってしまいます。

 あまりにも視界不良な場合は、近くの駐車場でクルマを停めて雷と豪雨をやり過ごすようにしています」(T整備士)

 昨今の異常気象により、突然激しい豪雨に見舞われることも増えています。そんなときは周囲のクルマも視界不良になっているわけで、自分だけがいくら気をつけていても追突や接触事故の確率も上がってしまいます。

 雷や豪雨のときは、安全な場所でやり過ごすというのがかなり有効のようです。

「また豪雨の場合、アンダーパスなどの低い道路では冠水してしまうこともあります。良く知った地元の道を走るのであれば迂回する道も把握しているかもしれませんが、観光などで訪れたエリアは道路状況が分かりません。

 誤って冠水路に入り込まないように十分注意して運転しましょう」(T整備士)

 最近では天気アプリなどで、地域に根付いた雷情報を入手することが可能です。また天気が良くても、急に雲が増えてヒヤッとする冷たい風が吹いた場合は、いきなり豪雨や落雷が発生する率が高いとの情報もあります。そんな気象状況の変化にも注意しながら運転するのも被害を防ぐ方法のひとつでしょう。

 ちなみにT整備士いわく、20cmを超えるような冠水路を走行するのはNGだといいます。フロントからはバンパーを超えラジエータやエンジンルームに、リアはマフラーから水が入ってしまうとエンジンがストップする危険性が高いのだそうです。

「よくニュースで無理やり冠水路を走っているクルマを見かけますが、いつ止まってもおかしくないと思います。

 また水没したクルマは、元のコンディションに戻すのが非常に難しいので、天気情報や道路情報などを確認して迂回するようにしてほしいです」(T整備士)

※ ※ ※

 雷の電流はクルマの中にまでは入ってこないとわかってひと安心ですが、雷にともなう豪雨もかなり危険です。

 雷が見えたり聞こえたら素直に安全な場所に避難するくらいの意識でいた方が、リスクを事前に回避できるのではないでしょうか。

【画像】「え…!」これが「落雷」「豪雨」発生時の対策です(12枚)

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