斬新すぎ! 日産に「4ドアセダン」のSUVがあった!? のちの大ヒット作につながるレトロ顔「XIX」とは
1995年10月に開催された第31回東京モーターショーで、日産はこれまでにない「SUVセダン」というべき斬新なモデルを参考出品していました。
斬新すぎる「SUVセダン」は「トランク」が水洗いできる!?
国内最大の自動車見本市である「東京モーターショー」はこれまで46回にわたり開催され、様々な新型車やコンセプトカーなどが出展されてきましたが、次回2023年10月には「Japan Mobility Show(ジャパンモビリティショー)2023」に名称を改め、装いも新たに開催される予定です。
長い歴史を重ねてきた東京モーターショーですが、1995年の第31回には、日産が斬新すぎる「SUVセダン」を出展し話題を呼びました。どのようなクルマだったのでしょうか。
第31回東京モーターショーは、1995年10月27日から11月8日まで幕張メッセで開催されました。
開催テーマは「感じる夢。感じるくるま。」。
主催する日本自動車工業会の記録によると、13日間の開催期間で152万3300人の来場者数を集めたといいます。
日産では、21世紀を見据えた3台のコンセプトカーを出展したほか、参考出品車として7台のニューモデルを展示しています。
そのうち「マーチ カブリオレ」や「S-RV」「ミストラル 2ドアショート」はその後市販化されていますが、残念ながら販売に至らなかったクルマもありました。
日産「XIX(キックス)」はそんな1台です。
日産ではXIXについて「『クルマとは、自分のライフスタイルに合わせて道具のように使いこなすもの』と考える人々に向けて提案する新感覚セダン」だと説明しています。
ボディサイズは、5ナンバー枠に収まる全長4650mm×全幅1695mm×全高1500mm。
パワートレインは2リッターの直列4気筒DOHCエンジンで、駆動方式はフルタイム4WD。4速ATと組み合わされていました。
直線基調のシンプルなデザインと丸いヘッドライトの組み合わせで、全体にレトロなムードが漂います。
日常生活での使いやすさや運転のしやすさを追求した機能美を目指したデザインだと日産では説明します。
軽快なSUVテイストもあり、これは前回の第30回東京モーターショー1993に参考出品し、翌1994年に市販化された「ラシーン」とのつながりも感じさせるものといえます。
最大の特徴は、ボディ後部に備わる長いトランクスペースです。
タフにガンガン使えることを狙い、トラックの荷台のように水洗いできる構造としていたのです。
モーターショー会場で配られた日産の公式パンフレットには、キャンピングトレーラーをけん引したり、トランクスルー機能を利用し2m近い木材を積載したりするイメージイラストを掲載。
XIXが様々なカーライフで使われるシーンを来場者たちに想起させていました。
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残念ながら市販化されることはなかったXIXですが、その後2000年に発売されたSUV「エクストレイル」(初代)のシンプルなデザインやタフに使える荷室空間などにそのイメージや設計思想が色濃く継承され、大ヒット作となりました。
また“キックス”の車名も、のちに2008年登場の軽SUV(KIX)に受け継がれ、さらに2012年に登場したコンパクトSUV(KICKS)となり、現在も使用されています。
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