なぜクルマの「ワイパー」価格はピンキリ? 大雨で「高いワイパー」効果ある? 選び方のポイントは
雨天時の運転で、良好な視界を保つために重要とされるのがワイパーです。そんなワイパーにはさまざまな種類があり、価格も安いものから高いものまで存在しています。価格によって一体何が違うのでしょうか。
ワイパーの価格がいろいろあるのはナゼ?
雨の日にクルマを運転するとき、前方視界を確保するために欠かせないのが「ワイパー」です。
ワイパーは、ワイパーゴムとそのゴムを支える「ワイパーブレード」が、支柱となる「ワイパーアーム」と連動して動くことでフロントガラスの水分を拭き取っていますが、雨風や直射日光にさらされていることからワイパーは傷みやすいのです。
ワイパーはゴムが劣化すると十分に水分を拭き取れないほか、ゴムがちぎれてしまったまま使っていると、露出した金属やプラスチックによりフロントガラスに傷をつけてしまうこともあり、定期的に交換すべきパーツとなっています。
そして価格も安いものから高いものまで“ピンキリ”となっており、何を基準に選べば良いのか迷うことがあるでしょう。ワイパーの価格の違いは、どのようなところにあるのでしょうか。
ワイパーにはいくつかの種類があります。まず、オーソドックスな「トーナメントワイパー」は、数あるワイパーのなかでもっともスタンダードな形であり、安く購入することができます。
フレームがトーナメント表のように組み合わされていて、フロントガラスの曲面をしっかり捉えることができるのが特徴です。
続いて「フラットワイパー」はワイパーゴムとブレードが一体になったもので、高速走行時にワイパーのばたつきを防止する設計がされています。拭き取りも良好で、視界も確保しやすいとされていて、欧州車などに標準装備されることが多いものです。
もうひとつが「エアロデザインワイパー」で、トーナメントタイプとフラットタイプの良いところを両立したようなものです。エアロ形状で空気抵抗を受けにくく、機能性に優れています。
トーナメントワイパーは価格が安く、一方でフラットワイパーやエアロデザインワイパーは価格が高いとされていますが、実際はどうなのでしょうか。ワイパーなどのカー用品を手掛けるメーカーに話を聞いてみました。
「ワイパーの価格は、主にフレーム構造やワイパーゴムなどによって変わってきます。
普段目にするトーナメントワイパーは非常に安価で、適合する車種も多くラインナップされています。
エアロデザインワイパーは、普段使いに加えて高速走行での機能性も重視した作りになっており、そのぶん価格も高くなります」
安価で購入できるトーナメントワイパーはフレームがワイパーのゴムを固定しており、経年劣化でその部分が折れたりしてしまったり、ゴムが端からちぎれたり、アームと固定する部分の遊びが大きくなることがあります。
一方で、エアロデザインワイパーは、エアロパーツのような形状を採用することで、高速域でのワイパーの浮き上がりを抑える効果が期待できます。見た目にもカッコ良いというメリットがあるのですが、価格が高額になるようです。
さらに、ワイパーゴムにもいくつか種類があり、それぞれ特性が異なるために価格にも影響をおよぼします。
「ノーマルタイプ」はもっとも標準的なワイパーゴムです。特殊な加工が施されていないゴム素材の部品で、安価なのがメリット。撥水機能などが必要なければ、このノーマルタイプを定期的に交換するほうが良い場合もあります。
「グラファイトタイプ」はグラファイト(炭素系微粒子)をコーティングしたワイパーゴムです。ウインドウとワイパーゴムの摩擦を軽減する効果があることから、フッ素系の撥水コーティングとの相性が良く、撥水コーティングを施したクルマに最適とされています。
「撥水タイプ」はゴム自体に撥水効果を持たせたもの。乾いた状態でしばらくワイパーを動かして、ゴムに塗布されたシリコンオイルでフロントガラスをコーティングすることで手軽に撥水効果が得られます。
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価格の安い・高いにかかわらず、ワイパーは消耗品なので定期的に交換する必要があります。
ワイパーは、ディーラーやカー用品店、ガソリンスタンドなどにおいて交換することもできますが、その場合は工賃がかかります。作業自体は手軽にできるのでDIYで交換するのも良いでしょう。
カー用品店などでワイパーを購入する場合、適合表が置いてあり、クルマのメーカーや車種名、年式、形式を確認すれば装着できる商品が見つかります。ワイパーに求める効果や価格などを吟味して、適切なワイパーを選びましょう。
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