なぜ「タイヤの空気」はキャップを閉めても漏れる? 不具合の可能性は? ゴムの劣化と“低空気圧”が引き起こす事態とは
クルマのタイヤは、きちんと空気を注入していても気が付くと空気圧が低下していることがあります。キャップもしっかり閉めてあるのに空気が減ってしまうのは故障なのでしょうか。
「タイヤの空気」が勝手に抜ける理由とは
クルマのタイヤは、きちんと空気を注入していても、気が付くと空気圧が規定の値より下がっていることがあります。
しかし、空気を入れる部分のキャップもしっかり閉めてあるのに、一体なぜ空気が減ってしまうのでしょう。これは故障なのでしょうか。
この「タイヤの空気が勝手に抜ける理由」を自動車ディーラーの整備士に聞いたところ、以下の回答がありました。
「そもそもタイヤのゴムは空気を通す性質があるため、たとえバルブのキャップが閉まっていても、時間が経てば自然に空気は抜けてしまうのです。
一見すると、どこにも空気が抜けるすき間など無さそうなタイヤですが、実は分子レベルの非常に小さなすき間があり、そこから常に空気が抜けていくことを『自然空気漏れ』といいます。
自然空気漏れにより、タイヤの空気は毎日少しずつ減っていきます。環境にもよりますが、だいたい1ヶ月ほどで空気圧が低下するほど目に見える影響があるでしょう。
これによりタイヤの空気圧が下がると、燃費が悪くなったり安定した走行ができなくなるので注意が必要です。
そして、さらに空気圧の低下を放置すると、走行時にタイヤがバーストする可能性も高まるため、安全な運行のためにも1ヶ月ごとなど、こまめなタイミングでの空気圧チェックをした方が安心です(自動車ディーラーの整備士)」
ドライバーにとって定期的な空気圧のチェックは欠かせない点検といえます。空気圧を測定する市販のレベルゲージで確認する方法のほか、ガソリンスタンドで給油した際にも確認してもらうのが良いでしょう。
ではタイヤの空気圧が減っていたとしても故障や不具合ではなく、空気を補充すれば心配は無いのかというと、必ずしもそういうわけではないようです。
「タイヤの空気が抜けてしまう理由には、自然空気漏れ以外にも『エアバルブの劣化』や『タイヤ自体の劣化』が考えられます。
タイヤに空気を注入するエアバルブは金属とゴムでできており、これのゴム部分が劣化するとそこからも空気が抜けてしまうので、タイヤのエアバルブは2年ほどで定期的に交換するようにしましょう。
そして同じくゴム製のタイヤも、長く使うことで少しずつ劣化します。
たとえ溝が残っていてまだ使えそうに見えるタイヤでも、ホイールに接する「ビード」という部分のゴムが劣化すると、タイヤとホイールの間にすき間が生じて、そこから空気が漏れることがあります(自動車ディーラーの整備士)」
さらに、ゴム部品やタイヤ以外の原因として、「ホイール」が歪むなどの変化によってすき間が生じ、空気漏れするケースもあるとのこと。
もしもこれらの事象が発生した場合、「タイヤとホイールの間にすき間が生じている」という状態ですから、タイヤやホイールを交換してすき間を無くさなければなりません。
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単純に自然空気漏れであれば、追加で空気を補充すれば良いだけなので心配はありませんが、それ以外の原因で空気が漏れていた場合、旅先などで行動不能に陥ることも考えられます。
そのような状況にならぬよう、愛車の空気圧はこまめにチェックし、規定の空気圧を長期間キープできるのか確認を忘れないで下さい。
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