ホンダの「クーペSUV」なぜ売れ続ける? 流麗デザインが成功?「ヴェゼル」が人気の訳
ホンダの普通車として3位の販売を誇るのが「ヴェゼル」です。2021年のフルモデルチェンジから2年が経過した今でも安定した人気を誇るというのですが、どのようなところがユーザーから支持されているのでしょうか。
「ヴェゼル」が人気の理由とは?
ホンダのSUVといえば、2023年4月に発売された新型「ZR-V」が話題の中心になりがちですが、最近販売台数を伸ばしているのが「ヴェゼル」です。
ヴェゼル躍進の理由は一体どのようなところにあるのでしょうか。
2021年4月に現行型の2代目が発売されたヴェゼルですが、初代モデルよりもクーペ感を強めたスタイリングや各種性能が向上したハイブリッドシステム、改良されたシャシなど進化は多岐にわたります。
2021-2022日本カー・オブ・ザ・イヤーでは10ベストカーにノミネートされるなど、高く評価されました。
そんなヴェゼルは、2022年に販売台数5万736台を登録し、普通車の年間登録台数ランキング14位のポジションを獲得。ホンダ車の普通車なかでは、「フリード」「フィット」に次いで、3番目に売れている主力モデルです。
なお、2023年上半期(2023年1月から6月)も前年と同じペースの2万2770台を登録。新車効果だけでなく、安定して売れ続けているのが分かります。
ヴェゼルが安定して売れ続けている理由はさまざまありますが、ホンダ広報部に聞くと、「購入理由に多く挙げられるのがデザイン」という回答が返ってきました。
先代モデルよりもピラーが寝て、クーペSUVライクに近くなったデザインへの変更は成功であることが読み取れます。
また、装備が充実してコストパフォーマンスが高いのもユーザーボイスとして上がってきているとのこと。
確かに、安全運転支援システム「ホンダセンシング」は全車に標準装備となっていますし、上級グレード「PLaY」でも350万円を切る価格設定は、ライバルと比べてもお買い得感があるといえます。
ヴェゼルにはガソリン車のみのエントリーグレード「G」に加え、ハイブリッド車として「e:HEV X」、「e:HEV Z」、「e:HEV PLaY」の4つのグレードが用意されています。そのなかでも人気が高いのが上級グレードのe:HEV Zだそうです。
LEDヘッドライトやステアリングヒーター、リアベンチレーション、パワーテールゲート、専用の加飾パーツなどを装備。充実した装備の内容を考えれば、ハイブリッド車のなかでもっとも価格が安いe:HEV Xよりも、上級のe:HEV Zが人気となりそうなのは予想が付くでしょう。
しかも、価格はe:HEV Xよりもe:HEV Z のほうが22万3300円高にとどまっており、この価格差から装備内容を考えるとe:HEV Zのコストパフォーマンスに惹かれるということ、また残価設定型クレジットを活用した場合月々の金額差が少ないことが人気の理由として挙げられます。
リセールバリューを考えてみても、後から装備することができない各種装備が充実しているe:HEV Zが人気となるのもうなずけるのではないでしょうか。
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ホンダのSUVラインナップで気になるのが、ヴェゼルとZR-Vとの差別化です。
ヴェゼルは、ソーシャルメディアなどを活用する層である「Generation-C」を主なターゲット層として捉えていて、新時代の新たな価値観をもつユーザー層のニーズに応えられるようなクルマを目指しているといいます。
現行ヴェゼルから新世代技術のコネクト機能が選べるようになり、スマートフォンを介してドアロックやエアコン操作が出来るようになったのも、それらが表れているポイントでしょう。
これらの装備はZR-Vでも選ぶことができますが、ヴェゼルから採用が始まったというのがポイントといえます。
また、ヴェゼルのハイブリッドは「e:HEV」を採用しているのに対して、ZR-VはSUV初の「スポーツe:HEV」を採用。ヴェゼルよりも低く構えたシルエットのデザインとなっており、ZR-Vは走りとデザインを全面に出したモデルとなっています。
コンパクトなボディサイズながら充実した室内空間がユーザーからも評判となっており、日常ユースにおける満足度が高いのがヴェゼル、デザイン性とスポーティなテイストの走りで多くの所有欲を満たしてくれるのがZR-Vという、それぞれのキャラ分けになっているといえるでしょう。
出始めはチョロチョロ見掛けたけど最近全然見ないしホントに売れてますか?