トヨタ高級ミニバン「8年ぶり全刷新」で何が変わった? 細部の「コダワリ」スゴい! 新型アルヴェルの特徴とは

高層ビルの「免震構造」のようなシートを採用

 吉岡氏によれば、一般的にミニバンはスライドドアの大開口部の弱さが欠点だといいますが、どのように補強したのでしょうか。

「特に先代ではスライドドアのレール上に(補強材が)ありませんでした。今回、その部分を通す『ストレートロッカー構造』を採用しました。

 そうすることでピラーの後ろからの強度が向上しています」(吉岡氏)

 また、クルマの下回りの剛性も高め、新たにV字型のブレースを装備。

「V字型ブレースは、屋根がないオープンカーで剛性を確保するために床下にこのブレースを使っているクルマが多いとわかったので、ミニバンの新型アルファード/ヴェルファイアにも取り入れました」(吉岡氏)

 加えて、2種類の構造用接着材を採用し、先代の5倍の長さを用いることで、衝撃吸収と剛性向上を図ったといいます。

シートや足回りだけでなく、ボディにも手を加えた
シートや足回りだけでなく、ボディにも手を加えた

 シートには防振構造を採用し、クッションパットの見直しを図るなど、特にこだわったとしていますが、どのような点を改良したのでしょうか。

「振動はやはりシートを通じて人間に伝わってくるため、ゴムのブッシュを入れ、フロアから浮いた構造になっています。高層ビルの免震構造というのがありますが、それに似たもので、ボディからの振動を遮断します。

 クッションパットは2種類のものを採用し、特にお尻の座圧がしっかりかかるところには、均一に分散させホールド性を高めるものを、シートバックには枕でいう低反発のものを使い分け、振動を遮断させました」(吉岡氏)

※ ※ ※

 このように足回りやボディ、シートに至るまでアプローチすることにより、先代比で約1/3まで振動を遮断できたといいます。

 このほか、ロードノイズや風切り音に対しても、ノイズの発生源を特定して音自体を抑制しつつ、音の周波数のバランスを整えることで静粛性を向上。

 振動や乗り心地だけでなく音にいたるまで、さまざまな側面から室内空間の快適性が高まりました。

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1件のコメント

  1. ディーゼル車も出せばいいのに

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