「検査標章」いわゆる「車検ステッカー」の位置に関する規定が2023年7月3日に変更され、同日以降に車検を受けるクルマは新しい規定に従ってステッカーを貼ることになりました。
　
　従来は「前方から見やすい位置」として、フロントガラスの中央付近（ルームランプの裏）に貼付されるのが一般的でしたが、新規定によると、「運転席側上部で、車両中心から可能な限り遠い位置」に変わり、右ハンドル車はドライバーから見てフロントガラスの右上に貼付します（左ハンドル車は左上）。

　国土交通省は、「無車検運行の防止対策」を変更の理由としており、ドライバーが容易に目視できる位置に車検ステッカーを貼ることで、車検の期限日を把握することを目的にしているといいます。

　実際には規定変更前から車検ステッカーを運転席上部に貼付するケースも見受けられたのですが、正式に変更から数週間が経過し、SNSには変更後の貼付位置についての投稿が寄せられています。

　すでに新しい位置に貼った人からは、「車検ステッカーをガラスのぼかしを避けて貼ったら、めっちゃ下になって目障り」「右上だと若干信号機と被って見にくい」「慣れない車検ステッカーの位置 なんか視界に入ってくる」などの投稿があり、違和感を覚える人も多いことがわかります。

　一方で、「貼付位置の変更、言うほど気にならないけど場所が変わった意味もないと思う」「車検ステッカー運転席側に貼られてるけど思ったより気にならないから、お偉い人方が想定してる効果なさそう」「今の基準で車検ステッカー貼ってみました。ダイハツ『ムーヴ』だと支障ないですね…だからといって車検有効期限忘れの防止になるかというと疑問です」など、気にならないぶん、車検期限忘れを防止する効果も感じられない人もいました。

　また、フロントガラスの大きさによって、視界に入ってくるか否かといった違いもありそうです。

　ほかにも「車検ステッカー、新しい貼り付け位置だと水平垂直に貼るの難しくない？ 真ん中の方が楽だった」「車検ステッカーを運転席の右上に貼らないといけないらしいが、現在アンテナとGPSアンテナを貼りつけているので配線取り回しのやり直しか」といった投稿も存在。

　視界に入って気になるかどうかといった問題だけでなく、貼り付け方や装着済みの各種アンテナとの兼ね合いなど、実際にやってみて初めてわかる課題も発覚。新しい取り組みだけに、さまざまなところに影響があるようです。

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　賛否両論ある車検ステッカーの貼付位置変更ですが、運転席側に貼るとドライバーの視界が妨げられてしまう場合は、邪魔にならない前方かつドライバーから見やすい位置に貼ることが許されています。

　また、すでに貼られている車検ステッカーを剥がして運転席上部に貼り変える必要はなく、次に車検を迎えたタイミングで対応すれば良いとされています。

　なお、道路運送車両法109条の9では、「検査標章を表示しないで自動車を運行の用に供した者」について50万円以下の罰金となる可能性もあり、車検ステッカーは正しく表示する必要がある点は覚えておかなければなりません。