えっ…! トヨタ「アルファード」の顔が「広がってる」!? 21年の進化は「グリル拡大」の歴史だった?

約8年ぶりにフルモデルチェンジを実施したトヨタの高級ミニバン「アルファード」。約20年に渡る歴史を経て、新型はどのような進化を遂げたのでしょう。今回はフロントグリルに絞って紹介します。

「フロントグリル」の広がりは横から縦、そして再び横方向へ

 トヨタは2023年6月21日、高級ミニバン「アルファード」を約8年ぶりにフルモデルチェンジしました。
 
 新型では「快適な移動の幸せ」の提供を目指し進化したといいますが、なかでも歴代アルファードの象徴ともいうべきゴージャスなフロントマスクは、どのような進化を遂げたのでしょうか。

歴代トヨタ「アルファード」のフロントマスクを見比べてみると、約20年に渡る進化とともに、歴代モデルの共通性もしっかり感じることができます[左上から時計回りに初代/2代目/3代目/新型(4代目)]
歴代トヨタ「アルファード」のフロントマスクを見比べてみると、約20年に渡る進化とともに、歴代モデルの共通性もしっかり感じることができます[左上から時計回りに初代/2代目/3代目/新型(4代目)]

 初代アルファードが登場したのは2002年のことでした。

 存在感あるスタイルと、国産最大級の室内空間を持ち、「ミニバンのフラッグシップ」を目指して開発されました。

 その後、先代(3代目)アルファードで新設定された最上級グレード「Executive Lounge(エグゼクティブラウンジ)」の豪華なセカンドシート(2列目席)が好評を博し、高級セダン車からの代替が大幅に増加したことを受け、ミニバンの域を超えた「大空間高級サルーン」としてのポジションを確立するまでに至りました。

 そして今回の新型アルファードで4代目。21年の歴史を重ねたなかで、開発者はアルファードの価値について改めて議論したといいます。

 その結果、ドライバーと乗員のすべてのユーザーがアルファードの空間を通じて「快適な移動の幸せ」を実現することと定義し、「性能を世界基準に昇華させる」を開発テーマに掲げました。

 振動や騒音対策、燃費や走りなどの基本性能向上に加え、内外装デザインや空間のゆとり、使い勝手なども全面的に見直されています。

 そんな新型アルファードに関し、SNSなどで多くの注目を集めていたのが「フロントマスク」の進化でした。

 新型アルファードは先代に比べ、より堂々としたスタイリングとなりましたが、実際にはあまりボディサイズ自体の変化はありません。

 これは、国内のマンションなどに設置される一般的な機械式駐車場の制限サイズである全長5000mm×全幅1850mmに収まるようにしたためです。

 しかし、本来なら大きな箱型で平板になりがちなボディサイド部分に抑揚をもたせることで、力強いスタイルとしました。

 トヨタによると、全体的なカタマリ感を意識し、闘牛が躍動しているかのようなモチーフのデザインに取り組んだと説明します。

 なかでもフロント部は、エンブレム部分が最先端になる逆傾斜の形状とし、突進するような力強さを生み出しています。

 ここで改めて歴代アルファードのフロントマスクを比較してみましょう。

 初代アルファードは、フロントグリルとヘッドライトが横方向へ1面に広がることで、たくましさを強調しています。

 続く2代目アルファードでは、中央のグリル部分を上下方向に拡大。

 フロントピラー(前のガラスを支える柱)からフロントバンパーにつながるV字のラインが生み出す躍動感とともに、横バーを強調したグリルや切れ長なヘッドライトと組み合わせ、迫力と高級感を増しました。

 さらに3代目(先代)アルファードでは、メッキ加飾の華やかなグリル形状を大きく広げ、バンパー下部のロアグリルまで一体化させたことで、大きなインパクトを与えています。

 そして今回の4代目新型アルファードでは、フロントグリルをヘッドライトと一体化させることでさらにワイド感を強調。より堂々とした洗練されたスタイルを生み出しています。

 歴代を振り返ってみると、そのデザインの進化はまさに「グリル拡大の歴史」と言い換えても良いでしょう。

※ ※ ※

 新型アルファードは、今回まずHEV(ハイブリッド車)とガソリン車が登場しましたが、今後PHEV(プラグインハイブリッド)車が追加投入される予定だといいます。

 新たなグレード拡大も含め、新型アルファードの次なる展開に引き続き注目が集まります。

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