車内に付いている「謎のスマホ」はなんの意味? ショーファーカーの後席に求められる要素とは
ショーファーカーは「目に見えない部分」も重要?
ショーファーカーと呼ばれるさまざまなクルマの後席を見ると、まずなによりも豪華なシートに目が行きます。
特に、新型アルファード/ヴェルファイアのような高級ミニバンの上級グレードでは大型のキャプテンシートが備わり、まるで飛行機のファーストクラスのような空間を提供しています。
こうしたシートは、電動リクライニングやシートヒーター/クーラー、エアコンやオーディオなどを操作するスイッチなどに加えて、なかにはマッサージ機能が搭載されているものもあります。
また、最近ではテレビなどが視聴可能なディスプレイが搭載されていることも多いようです。
なかでも、LMの4人乗り仕様には世界最大級となる48インチの超大型ディスプレイが備わっており、今後のショーファーカーに大きな影響を与えることは間違いなさそうです。
さらに、一部のショーファーカーには、冷蔵庫や後席用のスピードメーター、ドアに収納された専用の傘などが備わっているなど、一般的なクルマとは大きな違いが見られます。
ただ、こういった目に見える装備だけがショーファーカーの真髄ではありません。
ショーファーカーのおもな顧客となるのは企業の経営者などですが、そうした多忙なユーザーにとってクルマでの移動時間は数少ないリフレッシュの機会であり、限られた時間でリフレッシュするためには、外の世界の音を遮断する高い静粛性が求められます。
しかし、外部からの音を完全に遮断してしまうと、かえって緊張感が増してしまう可能性もあります。
その点、LMでは適度に外部の音を取り込むことで心地よい空間を実現しています。
また、一代で財を成したオーナー企業の経営者などは、あらゆるものに強いこだわりを持っていることも多いようです。
そうしたユーザーは、他人が設定したお仕着せのスタイルではなく、価値観にあったスタイルを自身で選ぶ傾向が強いといいます。
その点、ショーファーカーの世界最高峰と呼ばれるロールス・ロイス「ファントム」などでは、ボディカラーや内外装の仕様を顧客の好みに合わせて仕立て上げる「ビスポーク」と呼ばれるプログラムが用意されています。
LMも車内のイルミネーションやエアコンの設定などを後席のユーザーに合わせてパーソナライズ可能となっており、顧客の好みを最大限反映させることに注力されています。
価値観が多様化している現代だからこそ、顧客に合わせたパーソナライズは非常に重要な要素です。
豪華な装備ばかりに注目が集まりがちですが、こうした目に見えない部分もショーファーカーに求められることのひとつと言えそうです。
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1989年に北米で発売されたレクサスの初代「LS400(日本名:セルシオ)」は、静粛性といった日本的な価値観で当時の高級車市場を席巻し、その後のショーファーカーに大きな影響を与えたと言います。
また、近年ではアジア圏を中心にショーファー仕様のミニバンが多く登場していますが、その多くがアルファードを意識していることは疑う余地がありません。
欧州メーカーが強いとされているショーファーカーですが、「おもてなし」の心を持つ日本のショーファーカーもまた、世界で注目を集めているようです。
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