まだですか!? 13年目の日産「エルグランド」“次期型”どうなる? 高級ミニバン市場盛況の中“あるべき姿”とは

直近では、レクサス新型「LM」が発表されたほか、ホンダ「オデッセイ」の復活が発表されるなど、加熱する高級ミニバン市場。そんな中、“高級ミニバンの先駆者”とも言える「エルグランド」の現行モデルは13年も継続販売されており、次期型モデルを望む声も多く聞こえてきます。現在の市場状況で、次期型エルグランドが登場するとしたら、どのような点を改良すべきで、どのようなモデルとなるべきなのでしょうか。考察します。

日産新型「エルグランド」どうあるべき

 日産のミニバン「エルグランド」は、現在人気になっている“高級ミニバン”の先駆的な存在です。
 
 1997年に初代が誕生。パワフルな3.3リッターV型6気筒エンジンによる豪快な走りと豪華な装備や内装で、それまでのワンボックス型商用車をベースとした3列シートワゴンとは異なる、新たな「高級ミニバン」というジャンルを開拓します。
 
 そして2002年に第2世代が登場。ちょうど同年に登場したトヨタ「アルファード」と最高級ミニバンの座を争うことになります。その戦いは2010年に登場した第3世代の現行型エルグランドでも続きます。

日産次期型「エルグランド」予想レンダリング(Photo:ジムニーとコザクラインコとポルシェ)
日産次期型「エルグランド」予想レンダリング(Photo:ジムニーとコザクラインコとポルシェ)

 ところが、その後、様子がおかしくなりました。2010年代になると日産は、日本市場への新型車投入を激減させてしまうのです。2020年6月に発売された新型「キックス」は、なんと日本市場における10年ぶりのブランニューモデル。すでにある従来モデルのフルモデルチェンジの時期も、どんどんと伸びてゆきます。

 その中で、エルグランドもフルモデルチェンジなしのまま生産継続に。一方、ライバルであるトヨタのアルファードは、兄弟車「ヴェルファイア」やハイブリッドを追加するだけでなく、2015年にはフルモデルチェンジで新世代へと世代交代。着々と商品力を磨き続けます。

 そして気が付けば、いつのまにか高級ミニバンはアルファードの一強時代となっています。

 そんな高級ミニバンのチャンピオンであるアルファードと戦うための新型エルグランドを登場させると言うのであれば、当然、その内容もライバルに伍するものであることが必須と言えるでしょう。

 そこで是非とも実施してほしいのが、プラットフォームの刷新です。

 一番にお金のかかるところですが、クルマの骨格として、走りや居住性などに大きな影響を与える部分です。軽く、強靭であり、そして床が薄いことが求められます。

 軽く強固であるほどに、ハンドリングや乗り心地がよくなります。床を薄くできれば、重心が低くなり、そして室内の高さ方向も広くすることができます。

 最近の日本車では箱型ボディのモデルが人気を集めており、室内高は高いほど好まれる傾向があるようです。そういう意味ではアルファードの室内高1400mmと同等は欲しいもの。現在のエルグランドの室内高1300mmから、大幅な室内高の拡大を期待したいと思います。

 パワートレインも重要です。そもそも初代や2代目のエルグランドは、豪快な走りが大きな魅力でした。そのためライバルであるアルファードと同等以上のパワフルなパワートレインが欲しいもの。

 ちなみに現行型アルファードの上位モデルに現在搭載されているのは、300馬力級の3.5リッターV型6気筒ガソリン・エンジンと、200馬力級の2.5リッターエンジン+モーターのハイブリッドです。そうとなれば、未来の新型「エルグランド」にも200馬力級、300馬力級のパワートレインが搭載されて欲しいものです。

 現在の日産で300馬力級となると、フロント150kW(204馬力)、リヤ100kW(136馬力)の2つのモーターを駆使する「エクストレイル」のe-4ORCEが該当します。世界初の可変圧縮比のVCターボを使うハイブリッド「e-POWER(イーパワー)」です。これを使えば、現行アルファードにも見劣りすることはないでしょう。

 また、高級ミニバンですから、最新技術の搭載も当然のこと。日産における先進運転支援システムは、クロスオーバーEV「アリア」などに搭載されるハンズフリー可能な「プロパイロット2.0」ですが、こちらも必須でしょう。

 こうした条件をクリアする未来のエルグランドの像をまとめると以下のようになります。

 新開発の低床プラットフォームを採用して、室内高を拡大。パワフルなVCターボのe-POWERハイブリッド、しかも2モーターの4WDのe-4ORCEという組み合わせです。

 先進の運転支援システムはハンズオフ可能なプロパイロット2.0。もちろん、エクステリアデザインは、アリアからスタートした「タイムレス ジャパニーズ フューチャリズム」。シンプルでありながら、モダンで力強い日産の新しいデザインランゲージです。

 価格もライバルであるアルファードを鑑みて、400~500万円が中心モデル。豪華なバージョンが700万円台というのはどうでしょうか。

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Writer: 鈴木ケンイチ

1966年生まれ。國學院大学経済学部卒業後、雑誌編集者を経て独立。自動車専門誌を中心に一般誌やインターネット媒体などで執筆活動を行う。特にインタビューを得意とし、ユーザーやショップ・スタッフ、開発者などへの取材を数多く経験。モータースポーツは自身が楽しむ“遊び”として、ナンバー付きや耐久など草レースを中心に積極的に参加。見えにくい、エンジニアリングやコンセプト、魅力などを、分かりやすく説明するように、日々努力している。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。

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