踏切前での「窓開け」しないと違反? 教習所で指導されるもやる人皆無… なぜ「窓開け」が推奨されるのか
なぜ教習所で「窓開け」が指導されるのか
前述のように、実は道路交通法に「窓を開けて安全確認をしなければいけない」とは明記されていないため、踏切を通過する際に窓を開けなかったからといって交通違反には当たりません。
ただし、国家公安委員会がドライバーの守るべき交通ルールやマナーについて定めた「交通の方法に関する教則」第6章第1節の「踏切」という項目では、安全確認について以下のように述べられています。
「踏切を通過しようとするときは、その直前で一時停止をし、窓を開けるなどして自分の目と耳で左右の安全を確かめなければなりません。(文章を一部抜粋)」
自動車教習所では道路交通法のほか、この教則を手本として指導をおこなっているため、踏切では目視の安全確認だけでなくクルマの窓を開けて音を聞くように指導されるのです。

内閣府の統計によると2020年中における踏切事故は173件発生しており、そのうち列車がクルマと衝突したり、クルマ同士が接触するなど自動車が関連する事故は72件、全体の約41.6%を占めています。
踏切があるたびに窓を開けて周囲を確認するのが面倒というドライバーもいるかもしれませんが、車内でラジオや音楽などを聞いていると外の音が聞こえにくいケースがあるため注意が必要です。
列車はもちろんですが、踏切を渡ろうとしている他のクルマや自転車、歩行者などと接触するおそれもあり、目視だけでなく耳を使っての安全確認も非常に大切といえるでしょう。
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教習所で指導される、踏切前でのクルマの窓開けに関しては道路交通法に明記されておらず、極端な話でいえば義務というわけではありません。
しかし踏切事故は少なからず発生しているため、周りの音が聞き取りにくい状況であれば目と耳の両方で安全確認を心がけると良いでしょう。
Writer: 元警察官はる
2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。


























